プジョー308GT 1.6 THP 205 5ドア

公開 : 2015.03.30 23:40  更新 : 2017.05.29 19:00

やや古風な308が、208GTi 30th アニバーサリーのエンジンを搭載し足元を引き締めたことにより、どのような進化を遂げたのだろうか。

■どんなクルマ?

308は現行モデルになることで、とてもフランスらしいデザインを纏うに至った。実用性を維持しながらも見た目に優れる点では、ここ最近の傑作といっても言いすぎではないだろう。

ダイナミクスも現行308のトレードマークだ。しかし、これまでのプジョーに比べると、やや運動神経に欠けるのは事実。したがって、われわれは308GTの登場を大いに望んでいたのである。

GTの名を冠したことにより、サイド・スカートや大きめのエア・ダクト、ツイン・テールパイプ、LEDヘッドライトなどが、その識別点となった。

また外観の変更点以外にも、スプリングやダンパーの締め上げや、208GTi 30th アニバーサリーの1.6ℓターボ・エンジンをスワップするなど、動力性能の向上にも力を入れているようだ。

■どんな感じ?

GTi 30thのエンジンは軽やかに回り、高回転域でも力づよいが、308GTではのんびりと、しかしリニアリティに富んでいる印象だ。

試乗を始めてすぐの段階では、”遅いなぁ” と感じたのが正直なところだったが、0-100km/hタイム7.5秒という数字に裏打ちされた速さは確保されている。

ガソリンとディーゼルの2種が用意されるが、現時点ではトランスミッションは6速マニュアルのみ。ギア・レシオはトルクをうまく引き出せるよう適切な仕立てになっているものの、ロング・ストロークゆえ他のライバルにみられる精緻感には欠ける印象だ。

フロントの車高は基準車よりも7mm、リアは10mm低められ、ダンパーやスプリング・レートが見直されるなどサスペンション関連のテコ入れは広範囲にわたっている。

読者諸兄の想像通り、これにともなう乗り心地は基準車よりも硬質になっている。言いかえれば、高速域の乗り心地は明確に落ち着きを失っている。にも関わらずハンドリングが向上していないのはいかがなものだろう。

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