キャデラックCT6がニューヨーク・モーターショーにて公開
公開 : 2015.04.01 22:50 更新 : 2017.06.01 02:10
メルセデス・ベンツSクラスの対抗馬である、キャデラックCT6がニューヨーク・モーターショーで姿を現した。
CT6はキャデラックが2020年までの公開を予定している8車種のうちの1台で、1兆4千億円規模の投資の一部が充当される。
ヨーロッパ内での販売開始時期は2016年初期と目されており、搭載エンジンは2.0ℓ 4気筒ターボと自然吸気の3.6ℓ V6、3.0ℓ V6ツイン・ターボとなる。
最高出力は2.0ℓが270ps、3.6ℓが340ps、3.0ℓツイン・ターボが406psを発揮。また3.0ℓユニットが55.3kg-mを発揮することも明らかになっている。
またキャデラックは、AUTOCARに対し、プラグイン・ハイブリッド版と、V8ツイン・ターボ版の投入も明言している。
全長は5184mm、全高は1472mm、ホイールベースは3106mmとなり、乾燥重量は1700kg以下になる予定。18/19/20インチのアロイ・ホイール組み合わせる。
2.0ℓモデルはコンベンショナルな後輪駆動となる一方、2種のV6モデルは4WDと車輪ごとにサスペンション・セッティングを変更するマグネティック・ライド・コントロールを含むアクティブ・シャシー・システムを組み合わせる予定。
全グレードともに、フロントはダブルウィッシュボーン、リアはマルチ・リンク式のサスペンションとなり、ドライブ・モードはツアーとスノー/アイス、スポーツから選べるようになる。
キャデラックいわく、ボディ・パネルにアルミニウムを使用することでBMW 5シリーズやアウディA6よりも軽量になるとのこと。また車内の静粛性は ’銀行の金庫’ を思い起こさせるほどだという。
キャビンは、高級感を打ち出したレザーや木製パネル、カーボンファイバーを使用することにより、フラッグシップ・モデルならではの雰囲気を実現し、ダッシュボードには高解像度のタッチスクリーンが設えられる。
また、後部座席用にもフロント・シート後部にスクリーンを設けるそうだ。
シートはヒーター付きとなり、5種のマッサージ機能も用意される。後部の電動シートもリクライニング可能となり、アームレスト上にはメディア・コントロールやHDMI/USB接続が用意される。
ワイヤレスの携帯電話充電も可能となり、セグメント随一のインテリア・ストレージが確保されているとのこと。センター・コンソールの容量は2.2ℓに及ぶのだそうだ。
キャデラックいわく ’業界初の’ 360°カメラ・ビューも装備される。これにより、走行中はもちろんのこと静止中もセキュリティのために随時録画可能となる。
アドバンスド・パーク・アシストの採用により、自動で駐車できるうえ、ナイト・ビジョン・システムにより夜間肉眼では見えにくい物体もインフォテインメント・システム上に映しだしてくれる。歩行者衝突軽減装置も装備しているとのことだ。
車両価格は£67,000(1,190万円)から£180,000(3,197万円)になる見込みである。
キャデラックのトップ、ヨハン・デ・ナイシェンはCT6を ”技術的最高傑作” と表現。また ”CT6はキャデラック・ブランドの世界的な再構築のための主要な役割を果たし、アメリカでの成功はもちろんのこと、アジアやヨーロッパでも並外れた影響力を及ぼすだろう” としている。
また ”ラグジュアリー・ブランドの伝統として、フラッグシップ・モデルから全体を牽引していく” との姿勢を明らかにしている。”技術はもちろんのこと、カスタマーとの強固な信頼関係を築きあげていきたい” とも語る。
V8ユニットの最高出力は明かされていないが、キャデラックのハイ・パフォーマンス・モデルを意味する ’V’ バッジを掲げることも約束済み。
メルセデスのAMGやBMW Mディビジョン、アウディのクワトロ社などを始めとする、ハイエンド・スポーツ・モデルの直接的なライバルになる見込みだ。
またナイシェン氏はエスカレードを代表とするSUV/クロスオーバーや、アウディA3やCLAのライバルとなる小型サルーンの開発計画も認めた。
また小型サルーンの駆動方式は後輪駆動になることも決定済みなのだそうだ。
「キャデラックを所有することはつまり、最先端のシンボルでありたいと願うことと同じなのです。これまでは、’生意気’ と思われたこともあるかもしれませんが、これからはより洗練した印象をもたらすことになるでしょう」
「これまでよりもカジュアルなモデルの追加も考えています」とナイシェンは語る。
現時点ではヨーロッパには46のディーラーしかないが、新しい技術とネットワークの拡充が、ヨーロッパ内の売上を強くプッシュしていくことを確信しているようだ。
同時にフラッグシップ・モデル専用のディーラー展開も目論んでいるとのことで、カスタマーとの関係性をより密なものにしていきたいとのこと。
これまでアウディとインフィニティでキャリアを積んだナイシェン。キャデラックならではの歴史を、これからのブランド展開に利用していくのだそうだ。
「われわれは他のライバル・メーカーに尊敬の念を抱いています。それと同時に、ヨーロッパはキャデラックの伝統を求めていることも知っています。言いかえれば、われわれは日本のメーカーよりもアドバンテージがあるのです」と締めくくった。