トヨタ・ミライ

公開 : 2015.04.02 23:50  更新 : 2021.01.28 18:23

このフュエル・セル・スタックは、トヨタのエンジニアの誇りの拠りどころにもなっている。なぜなら2008年開発のものと比べると、今回のスタックは3.1kW/ℓをマークし、50%も軽量になっているからである。

スタックに採用した3Dのメッシュ流路は、トヨタの言葉を借りると ”空気(酸素)の拡散性および排水性を向上させ、燃料電池スタックを構成するセル面内の均一な発電を可能にした” ということになる。

水素を循環させるポンプは、低温時でも効率性が妨げられないように、圧縮構造を最適化しているのだそうだ。ちなみに機械寿命は従来の内燃機関と同等なのだとトヨタはいう。

前部座席下方には1つ、後部座席後方にも1つの燃料タンクがセットされている。後部座席下のタンク上部にはニッケル-メタル水素化物バッテリー・パックが据えられている。

もちろん従来の内燃機関のように、熱がこもることも無ければ、エグゾースト・パイプも存在しないため、車体底部は前から後ろまでパネルが据えられ、フル・フラットになっている。

これほど複雑なメカニカル・パーツが目白押しなのだからこそ、このような不思議な形になっているのだなと安堵した矢先、トランクを開ければボディ・サイズからは考えられないほど小さな荷室が出現。残念である。

もちろんエンジンのスタート・ボタンを押しても、何も聞こえてこない。短いギア・レバーをドライブに入れれば、巨体はスルスルと歩を進める。大方のEVと同じ文法である。

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