キア・ヴェンガ1.4 CRDi SR7
公開 : 2015.04.02 23:40 更新 : 2021.03.05 21:36
実用的で羽目をはずさないファミリーカーが欲しいならばキア・ヴェンガは選択肢のひとつになり得る。記事を読み終わったあとには、価値観が変わっているかもしれない。
■どんなクルマ?
自動車業界はいつだって進歩している。ひとつのモデルが出ては消え、マニュファクチャラーはモデル・チェンジに必死である。
そんな流れにキアが追随していることは幸せなことだ。ただし読者諸兄が考えているとおり、人気や知名度に関しては今ひとつであるのが現状である。
しかしながら、先入観を捨ててしっかりと向きあえば、なにも悪いところばかりではないのがキアのクルマのいいところ。
着実に、スタイリッシュに、そして優れたクルマに成長しているのである。(価格もずいぶんと立派なものになったが……)
今回のテスト車両である、キア製の小型車、ヴェンガの掲げるプライス・タグは£14,895(264万円)。1.4ℓ CDiユニットを搭載したSR7というグレードである。
日産ノートやホンダ・ジャズ(日本名:フィット)などがライバルにあたり、キアいわく、先代のラフさは丁寧に丸めこんだとのことだ。果たして結果はどうだろう?
■どんな感じ?
外観上は大きいグリル、シャープな見た目のバンパー、新デザインの16インチ・アロイ・ホイールが特徴である。
タイヤの空気圧モニターは標準装備となり、エアコン、電動ウインドウ、自動ライト、リア・パーキング・センサー、ブルートゥース接続も同様だ。
フォード・フィエスタに比べると全長は10センチ長く、その結果、身長180cmの大人が座ったとしても窮屈な思いをしないスペースが確保されるに至った。
後部座席の足元中央にはトランスミッション・トンネルがないため、(肩どうしがぶつることを気にしないならば)5人乗者も可能である。
結果、荷室容量が制限されているのか? そんなことはない。シートを立てた状態で440ℓ、フロアをもっとも低くすれば570ℓまで拡大可能だ。
ヘッド・レストの位置を変えることなく、とても簡単にリア・シートをホールド可能。ホールドすればフラットなデッキが出現し容量は1253ℓに拡大される。
このリア・シート。前後に130mmスライドするうえ、バック・レストを調整できるというのだから、かなりの優れものである。
したがって、ユーザーの好みにあわせて、荷室容量を優先させたり居住空間の広さを優先させることもできる。ボディ・サイズを考えると、この柔軟性はすばらしい。
前席のドライビング・ポジションは適切なもの。ステアリングとシートの可動域も非常に大きく確保されている。