アウディQ7

公開 : 2015.04.08 23:40  更新 : 2017.05.29 18:14

ほとんどのバンプやリッジによるハーシュネスをすっかり飲み込むのはエア・スプリングによるところが大きい。先代では車体が上下に揺さぶられていたところでも、新型は涼しげにさらりと走り抜けていくのだから大飛躍である。

ダイナミック・モードにスイッチすると、足元は明確に引き締まり、ホイール・トラベルも制限されていることがわかる。この時には重心高も50mm低くなり、キャンバー角も最適な状態にセットされるという。

エレクトロ・メカニカル・ステアリングによる操舵フィールにも不自然さはまるでなく、スポーティな性格に振ったモードを選択していれば、あらゆる路面に挑戦したくなってくる。

英国のマーケットではオプションとなる4輪操舵システムは、低速域では後輪を5°前輪と同位相に向けることにより回転直径を先代よりも1m小さくすることに成功した。市街地では大いに恩恵を受けるはずだ。

一方の高速域では同位相に2°後輪を転舵することにより、スタビリティを向上するという。グラベルの上では同システムのありがたみを感じるうえ、バンピーな路面でも前後方向の一体感をもたらしてくれる。

クアトロ・システムは、通常のコンディションではトルクの40%を前輪に、60%を後輪に与えるが、こちらが必要とすれば後輪に最大で85%のトルクを与える仕組み。グリップ・レベルも飛躍的に向上している。

大半が岩や砂で覆われたオフロード上でも、Q7は全くもって顎を出すことはなく、むしろこここそが見せ所と言わんばかりに嬉々として駆け抜けてくれる。ハッケンバーグの自信は確かな根拠のもとにあるのだと感じた。

■「買い」か?

滑らかで、静か、たっぷりとしたスペースを持ちあわせれいながら、俊敏で運転していて楽しい。すべてのエリアでQ7は進化したと言っていいだろう。

しかしラグジュアリーSUVクラスは実力者で溢れているうえ、ジャガーF-ペースを始めとするニューカマーのことを見逃すわけにはいかない。

したがって先代の、10年で500,000台以上を売りあげたという成功体験は、もはや役に立たなくなる可能性だってある。

ただし今回のテストを通して、新型のQ7はとてつもないポテンシャルを秘めていることがわかった。正式デビューした際には、多くのカスタマーが舌を巻くだろう。

(グレッグ・ケーブル)

アウディQ7 3.0TDI

価格 £50,340(898万円)
最高速度 233km/h
0-100km/h加速 6.5秒
燃費 17.0km/ℓ
CO2排出量 153g/km
乾燥重量 2060kg
エンジン V型6気筒2967ccターボ・ディーゼル
最高出力 272ps/3250rpm
最大トルク 61.1kg-m/1500rpm
ギアボックス 8速オートマティック


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