ボルボV40クロスカントリー T5 AWD

公開 : 2015.04.09 23:50  更新 : 2021.10.11 09:10

このパワーユニットの秀逸さにも驚かされたが、さらに今回の試乗で特に印象的だったのは、サスペンションの動きだった。V40クロスカントリーが最初に導入された時には、その硬質な乗り心地に驚かされたものだが、このモデルではいわゆる角の取れた、実にスムーズなフィーリングが得られていたのだ。ボルボからは特に、サスペンション関連のセッティング変更に関してインフォメーションはないのだが、日々その進化のための作業は続けられていた、ということなのだろう。AWDの駆動方式も、刻々と路面状況が変化するオンロードでは、大きな武器になる。4WDの制御も実にナチュラルで、コーナリング時にはそれが素晴らしいトラクション性能を披露してくれる。車高がアップしたことによるネガを感じることはほぼ皆無だろう。

■「買い」か?

搭載エンジンが直列5気筒から直列4気筒へと変化しているのに、同じ “T5” というサブネームが与えられるのは、カスタマーに多少の混乱を巻き起こしそうだが、ともあれ最新の直列4気筒直噴ターボ・エンジン+8速AT+AWDというパワートレーンを持つ、この200台の限定車T5 AWDは、間違いなく “買い” の一台といえる。このモデルはおそらくは、2016年モデルからはシリーズ化されることになるから、今回のチャンスを逃したら購入できなくなるという性格のものではないのが幸いだ。V40シリーズの日本仕様には、今後はより経済的なディーゼルモデルの追加も期待されるが、こちらはAWDとの組み合わせは実現しない見込みだという。

(文・山崎元裕 写真・花村英典)

ボルボV40クロスカントリー T5 AWD

価格 4,390,000円
最高速度 210km/h(届出値)
0-100km/h加速 6.1秒
燃費 14.8km/ℓ
CO2排出量 157g/km
乾燥重量 1580kg
エンジン 直列4気筒1968ccターボ
最高出力 245ps/5500rpm
最大トルク 35.7kg-m/1500-4800rpm
ギアボックス 8速オートマティック


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記事に関わった人々

  • 山崎元裕

    Motohiro Yamazaki

    1963年生まれ。青山学院大学卒。自動車雑誌編集部を経て、モータージャーナリストとして独立。「スーパーカー大王」の異名を持つ。フツーのモータージャーナリストとして試乗記事を多く自動車雑誌、自動車ウェブ媒体に寄稿する。特にスーパーカーに関する記事は得意。

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