ルノー・メガーヌR.S.275トロフィー-R
公開 : 2015.04.17 23:50 更新 : 2021.03.05 21:35
■インテリア
”ペダルの配置は百点満点。ただしステアリング・コラムの前後方向の可動範囲を増やして欲しい。” ― マット・ソーンダース(ロードテスト編集補佐)
リアのサイド・ウインドウを指でコツコツとノックする。ガラスの音がする。R26.Rのように、アクリル製に変わったりはしていないようだ。
少しほっとして室内へと滑りこむ。安心は一転、一般的なクルマにあるべき装備品のほとんどが消え去り、車内は ’もぬけの殻’ と化している。
シートは前後にスライドするものの、フル・バケットシートのためバックレストの角度は調整不可。日常使用でも6点式シートベルトをカチリとはめる必要がある。
エアコン? ステレオ? もちろんデリート済み。しかしなぜかクルーズ・コントローラーは引き続きセットされている。
後ろを振り向くとシートがないため、まさに ’がらんどう’ の世界。かわりにラゲッジ・ネットが張られ、あとはハーネスがリアに伸びるのみだ。
タワーバーから下にさがるネットは、トランク内の小物が前後に揺れ動かないようにするためのもの。スペア・タイヤの搭載も視野に入れた設計だ。
仮にスペア・タイヤを搭載する場合、4本中3本は件の荷室に搭載できるが、残りの1本は本来のリア・シート部か、3本のタイヤの上に置くことになる。
どちらにしても、サーキット走行を中心とするドライバーにとって収納に苦労しないスペースが確保されているので安心されたい。
カチコチのプラスティックがインテリアの大部分を覆っているが、なんのその。そもそも速く走るためのクルマなのだから、さしたる問題ではない。
あとはスエード風の表皮やアルカンターラで覆われた、いかにもサーキット走行を優先した実用主義的なインテリアとなる。
ちなみに標準ではコミュニケーション/エンターテイメント・システムは一切装備しない。クルーズ・コントローラーとESPをカットするスイッチのみがわれわれに与えられた制御装置である。