ルノー・メガーヌR.S.275トロフィー-R

公開 : 2015.04.17 23:50  更新 : 2021.03.05 21:35

■パフォーマンス

”静止状態から166km/hまでに要した時間はわずか14.9秒だった。” ― マット・プライヤー(ロードテストエディター)
パフォーマンス・テスト当日の天気は、バケツをひっくり返したような土砂降りの雨。1日中待ってみたが、不幸にも太陽が微笑むことはなかった。

恐る恐るウェット走行を試みれば、想像通りの暴れよう。少なくとも3速以下では、ただただタイヤが空転し続けるのみだった。

ようやく雲間から光が射しはじめたのは翌日のこと。この日計測した0-100km/hタイムはウエット・コンディションのデータ-1.0秒である5.7秒だった。

5.7秒という数字は、メルセデス・ベンツA45 AMGやBMW M135iに比べると遅いのだが、われわれがこれまでテストしたFF車のなかでは最速のタイムであった。

タイヤが路面と捉え始めたときから、トロフィー-Rはガミガミと吠え立てながらまさに猟奇的なパフォーマンスを披露する。

なにもパワー増強だけが理由ではない。ファイナル・ギアレシオがR.S. 250のそれよりもショートになっていることも原因している。

いまや古典的とも言える多点フュエル・インジェクションとリニアなターボ・レスポンスのおかげで、細やかな調整は正確に行える。

2000rpmから流れ込む多量のトルク以外は極めてなめらかなパワー・カーブを描いており、6速マニュアル・ギアボックスのシフト・フィールも十分に信頼に足る。

防音材の排除によりキャビンはタイヤ/ロード・ノイズで満ち溢れている。110km/h前後の車内の音量は74dB。’騒がしい’ といっても差し支えないレベルだ。

しかしパフォーマンスの高さによってこの無鉄砲さが正当化されるのだから大したものである。次の項で、さらにパフォーマンスの詳細を解き明かすとしよう。

関連テーマ

おすすめ記事

 
最新試乗記

人気記事