ゼノスE10 S vs ケータハム・セブン360R
公開 : 2015.04.13 23:50 更新 : 2017.05.29 19:32
フロント部は、先述のアルミニウム製の骨格にダイレクトにマウントされており、簡潔な組み立て工程ゆえにコスト削減にも繋がった。
ダブルウィッシュボーンとモノコックの構造上、アッパー/ロワ・アームが長くなることから、プッシュロッド式とし、ダンパーは骨格部に潜り込ませたインボード・タイプを採用。バネ下重量の低減にもつながっているという。
コックピット部は2対のシートとコンベンショナルなハンドブレーキ、フロント・スクリーンといった、スポーツカー然とした仕立てとなっている。
ドライバーズ・シート前方には、車速、回転数を示すメーターと各種警告灯のみ。ダッシュボードの中央部には、大事ではあるがいつも見るほどのものではない情報が並ぶ。
シートとステアリング、ペダルは直線上に並ぶ一方、低い座面高に対してギアレバーが高すぎる感じもするが、相対的なポジションは概ね良好だ。
全般的な雰囲気はいかにもレーシーな感じがするため、シーケンシャル・ギアボックスを組み合わせていたとしても何ら不思議ではないが、現実はHパターンのマニュアル・ギアボックスを搭載する。
各種パーツのフィッティングと仕上げは悪くはないが、残念ながらそれ以上ではない。ただ、203psを発揮するベース・モデルが£24,995(440万円)からということを考えれば、さしたる問題ではないとも感じる。
さらに51psぶんを増強したモデルならば、ここからさらに£5,000(88万円)のアップ。その他のオプションを組み合わせれば、乗り出し価格は£36,135(636万円)程度になる。
一方、先日一新したラインナップの中ではミドル・グレードにあたる360Rは、E10と同じく2.0ℓのフォード製エンジンを搭載する。
ただし360Rはデュラテック・ユニットを使用し、最高出力は183psを標榜。価格は£23,995(422万円)からとなるが、ファクトリー内でオーナー専用の組み立てを受けるならば、さらに£3,000(528万円)が必要となる。
Rパッケージを選べば、左右のトラックを拡大するスポール・サスペンションとLSD、軽量フライホイールが組み合わされ、ここからさらに£3,995(70万円)の値上げとなる。
スリリングなドライビングが可能になる小径の13インチ・ホイールや、ペイント、ヒーター、シフト・ライトなどを組み合わせるために+£200(3万5千円)を支払えば、価格はあっという間に£36,335(640万円)となる。
しかし、(あくまで個人的な見解ではあるが)価格上昇分に相応しい満足度は得られると思う。また、リセール・バリューと維持費を考えれば、E10も360Rもおおよそ魅力的な車両価格であるといえるだろう。
前置きが長くなってしまったが、今回のテストの舞台はレスターシャーにあるブランティングソープという名の元空軍基地だ。今は自動車のテストや飛行機の廃棄場所として使用されている。
300km/hを超えるブガッティ・ヴェイロンでさえも十分な敷地面積ゆえ、今回のテストは長い長いストレート(以前の滑走路)の一部を組み合わせたショート・サーキットを主に走らせる。