フォーミュラE
公開 : 2015.04.14 23:50 更新 : 2021.07.12 18:38
その代わりに許可がおりたのが、全長3.54kmのNASCARで使用するバンク付きのオーバル・コースでの走行だ。実際にコースを目の前にし、体内でアドレナリンが噴出していることを強く感じ取れた。
高ぶる気持ちを何とか抑え、クールにコックピットに収まれば、いよいよスタートの時。
ピット・レーンから勢いよくコースに入ると、私のメンターであり、元F1ドライバーのネルソン・ピケJr.は無線で「カーボン・ブレーキに気をつけて。たかい制動力のおかげでロックしやすいからね」とアドバイス。
言われたとおりに、早めにゆっくりとブレーキ・ペダルを踏み込み、ブレーキ・ユニットを温度を高めてやる。すでにこの段階で、F1マシンとの違いが明らかになりつつある。
まず1つ目は、コックピットへの風の巻き込みがF1マシンに比べると激しい点。また、コーナリングのためのステア操作には、並大抵ではない腕力が必要であることがわかった。
私が最後にF1マシンをドライブしたのは2001年のことだ。底なしのパワーに驚いたことを今でも克明に覚えている。
しかし、フォーミュラEマシンもF1のそれに負けていない。
フォーミュラEマシンが静止状態から100km/hに到達するまでにかかる時間は3.0秒。心臓部となるウイリアムズ製の800kWのバッテリーによる瞬発力は ’ワイルド’ と言う言葉では物足りないくらい激しいのだ。