フォーミュラE
公開 : 2015.04.14 23:50 更新 : 2021.07.12 18:38
コックピットの温度は異常に高く、走行を終えて5点式のハーネスを取り外したあとは、耐火性のアンダーウェアとレーシング・スーツは汗でぐっしょりと濡れていた。(まだ走りたかったので、笑顔は崩さなかったが。)
チャイナ・レーシングからフォーミュラEに参戦するピケに、フォーミュラEとフォーミュラ1の違いを聞いてみたところ「マシンの形こそ似ていますが、そもそも比較すべきではないのです」という。
「F1のテクノロジーは70年の歳月をかけて進歩してきたのですが、今から20ヶ月前は、まだフォーミュラEマシンの組み立てさえ始まっていなかったのです」
「ドライビング・テクニックもまったく違います。使用するサーキットも違えば、タイヤだってフォーミュラEの場合は全天候型のラジアル・タイヤですから」
「F1のように給油やタイヤ交換に関連した複雑怪奇なストラテジーを考えるより、エネルギーをいかに温存するかが最優先事項となってきますからね」
「コックピットもまた、まったく異なった点のひとつです。さらには、F1ではKERS(運動エネルギー回生システム)を重点的に考慮していましたが、フォーミュラEの場合はパフォーマンスに影響するバッテリー周辺の温度も考えなければなりません」と説明してくれた。