ヴォグゾール・コルサVXR
公開 : 2015.04.15 23:30 更新 : 2017.05.29 18:29
6速マニュアル・ギアボックスも新しいものに置き換わっており、もう少しカチリとした感触があってもいいとは思うが、少なくともシフト・ノブを軽く押しこめば、ストンと小気味よくゲートに吸い込まれていく。
少し気になるのが3速から4速にいれるときのシフト・ストロークの距離感だ。特に英国のカントリー・ロードの速度域で常用するギアだけに、もう少しストローク量が小さければいいのにと感じる。
トーションビーム・リア・サスペンションのセットアップを見直し、さらに18インチ・ホイール(オプション)を履いているためトラクションやグリップにも全く不足はない。
ステアリングを切った直後に鼻先が反応し、ミドル・コーナー上でもバランスを崩さない点も素晴らしい。速度を増しても挙動を修正しやすく、正確性がまるで失われないのもVXRの優れた点だ。
フォード・フィエスタSTの方が、もっとナチュラルで落ち着きがあるが、同サイズのホットハッチのなかでは1、2を争う出来栄えであることは間違いない。乗り心地に関しては全速度域でVXRの勝利だ。
しかしながらキャビンの質感に関しては、残念ながら他のライバルに劣っている。モノトーン・カラーにまとめるなど、決して悪趣味ではないのだが、少しばかり簡素に感じるのだ。
レカロ製のバケット・シートはショルダー周辺と大腿部のサポートが今ひとつだが、その他の部分は概ね良好。後席の収容力もスモールカーとして満足できる。
テストでは大いに楽しませてもらっただけに、お金を払うだけの価値があるクルマだと言える。