ランドローバー・ディスカバリー・スポーツ HSEラグジュアリー
公開 : 2015.04.16 23:55 更新 : 2017.05.29 19:17
ディスカバリー・スポーツにはベーシックなSEとHSE、そしてHSEラグジュアリーという3グレードが用意されており、今回試乗できた個体にはオプションの3列目シートは備わっていなかった。リア・ゲートを開けると広大なラゲッジ・ルームがあり、その床板を開けると245幅の20インチ・スペア・タイヤがしっかり収まっていたので、3列目シートのオプション(正式には5+2シートパック、HSEには33万7000円で選択可能)を選んだ場合にはこの床下スペースに収納されることになる。
室内は2列目シートの足元がかなり広く確保されている印象で、3列目シートはカタログから伺う限り、この手のシートの宿命として大人の乗り降りは辛そうだが、一旦座ってしまえば問題なく過ごせそうだ。インテリアのイメージは、現行のランドローバーで最も設計が古いディスカバリーよりもはるかにモダンだが、ダッシュパネルを含めて全体にラインが柔らかく、イヴォークよりもファミリー・ユースの雰囲気が強くなっている。
ドライビングシートに腰をおろし、走り出すまでの感覚は、モダンなランドローバーに慣れていれば全く戸惑うことはない。ただそのドラポジがランドローバー伝統の、高みから見下ろすようなコマンドポジションかといわれると、そんな感じはまるでしない。むしろシート座面が低く、ダッシュが高く感じられるほどで、丸みを帯びたボンネットと相まって、フロントの角はほとんど感知できない。この辺はセンサーやモニター任せというのがモダンなSUV、ということなのだろう。
イヴォークのマイナーチェンジでデビューした2ℓ直4ターボ+9速ATのパワーパックは、実用車のパワートレーンとして非常に優秀なものだ。しかも普段はほとんど前2輪にのみ駆動をかけて走っているという走行プログラミングも効率が良い。普段街中を走っているようなシチュエーションでは、4駆である必要などないのである。
もちろん4駆への駆動の切り替えは、モニターで確認することが出来るのだが、体感することはできないほどシームレスに行われている。古くからのランドローバー好きは副変速機がないとか、エアサスじゃないと、なんて言うけれど、そういったハードな4駆の他に、効率の良い4駆をランドローバーがラインナップしていることはメイクスの生命線として重要だと思う。