フォルクスワーゲン・ゴルフRエステート
公開 : 2015.04.18 23:50 更新 : 2017.05.29 18:57
■どんなクルマ?
フォルクスワーゲン・ゴルフRのパフォーマンスの高さには正直驚かされた記憶がある。300psを発揮するパワー・ユニットと4WDの足がもたらす全天候型の強力なパフォーマンスは実に素晴らしいものであった。しかも、それがただ単に暴力的なパワーと莫大なグリップを持ったクルマというのではなく、驚きに値するほど卓越した繊細なハンドリングをも備えていたからだ。
さて、そのエステート・バージョンであるが、ハッチバックと異なるのは、マニュアル・シフトの設定がなく、オートマティック・トランスミッションのみとなることだ。果たして、ハッチバックに匹敵するハンドリングの良さを魅せつけることはできるのだろうか。
■どんな感じ?
全長が320mmほど伸ばされ、重さも79kgほど追加されたことと引き換えに、そのブート・スペースは380ℓから605ℓに拡大されたにもかかわらず、ゴルフRエステートの暴力的なパワーは少しも削がれてはいない。
すべてのホイールに駆動力を分配するハルデックス4WDシステムや、アンダーステアが発生した時にそれぞれのホイールにブレーキを掛けてそれを打ち消すXDS+トルク・ベクタリング・システムなどといった仕組みはハッチバックと同様で、素晴らしい動きを見せる。
われわれの試乗車には£815(14.5万円)のオプショナル装備とアジャスタブル・ダンパーが組み込まれていたが、そのダンパー・セッティングをレース・モードにすれば、あの評判の高いルノースポールなみの正確なコーナリングを見せてくれる。ドライバーが狙ったのと寸分たがわないラインでコーナーを抜けてくれるのだ。コーナーでの立ち居振る舞いは許容度が高く、スロットルへの反応も非常に良い。タック・インをうまく使えばオーバーステアに持ち込むことも可能であり、そういった挙動変化を見せるところがドライバーにとっても愉しいところである。