フォルクスワーゲン・ゴルフRエステート

公開 : 2015.04.18 23:50  更新 : 2017.05.29 18:57

サーキットでもオンロードでも寛大で且つ茶目っのある足まわりで、レオンクプラSTなどのライバルと比較してもドライブしていて楽しさを感じるものだ。トランク・ルームを追加したエステート・モデルではあるが、それがハッチバックに対してそれほど大きな差を生じているとは思えなかった。そのエステート・ボディに得も言わぬ迫力を追加するクアッド・エグゾーストから吐き出されるサウンドとのアンバランスさを演出しながら、モンツァ・サーキットのバリアンテ・アスカリを4輪ドリフトで抜ける様は、どこかしら愉しい経験であった。

それでいながらも、ゴルフRエステートは、通常のゴルフとまったく同じように運転することも可能で、しかもフレキシビリティに富んだドライバビリティを見せてくれる。リアに余分な重さが追加されたことに対処して、唯一ハッチバックと異なる設定となった固めのリア・スプリングが与えられているが、その結果受けるフィーリングはハッチバックとほぼ変わらないといった印象だ。

確かにスポーツ・モデルということで、路面のくぼみなどを乗り越える際には容赦ない衝突感を感じるものの、それは厄介と感じたり不快なものでは決してない。ましてや、日常のアシに使うクルマではないと感じることもないだろう。つまらぬ心配を一切することなく家路に着くことのできるクルマ、それがゴルフRエステートなのだ。

唯一、ゴルフRエステートに不満があるとすれば、やはりマニュアル・ギアボックスが選択できないということにある。もちろん、6速DSGはパドル・シフトを使用すればそのレスポンスは非常に正確なものだ。ただし、アイドリング・ストップからの起動時には若干のもたつきが見られた。また、シフト・アップにも同様のもたつきがみられる。更に、意識せずに1速飛ばしてシフトアップされてしまう場合もあった。まあ、それもあら探しと言ってしまえばそれまでのことで、マニュアル・シフト好きの英国ですら大多数のゴルフRのオーナーが、マニュアルではなくデュアル・クラッチを選んでいることからすれば、ゴルフRエステートがオートマティックのみということには理解ができるようのものだ。

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