ウィンターコルン、VW取締役会でピエヒに勝利
公開 : 2015.04.18 22:40 更新 : 2017.06.01 02:10
フォルクスワーゲンの監査役会の会長を務めるフェルディナンド・ピエヒと、現フォルクスワーゲンのCEOであるマーティン・ウィンターコルンは、その経営方針を巡って対立していたが、その結果はウィンターコルンが勝利を収めたカタチで収拾された。フォルクスワーゲンは、ピエヒの起こした訴えを退けるだけでなく、少なくとも2016年までウィンターコルンがCEOを務めることを声明として発表した。
監査役会のメンバーでもり、ポルシェ一族でもあるピエヒが、労働者代表とニーダーザクセン州の州首相を味方につけて、訴えを起こしたということは今まで前例がなかったものだ。
ピエヒは1993年からフォルクスワーゲンの取締役会会長となり、その時からフォルクスワーゲン・グループの主要なプレイヤーとなっている。彼は、アウディの高級志向とし、1990年台初期に崩壊寸前だったフォルクスワーゲンを立ち直し、更にはベントレーのような高級ブランドの買収にも足跡を残した。
そのピエヒが現経営陣を批判したのは、フォルクスワーゲン・ブランドの低い営業利益と、アメリカ市場での弱い影響力に関してだった。
しかし、彼の訴えは聞き入れられなかったということである。ウィンターコルンをフォルクスワーゲン・グループが支持したということは、ピエニのエンジニアおよび戦略家としての支配が終わったことを示している。
ピエヒは、4月17日で78歳の誕生日を迎える。そして、2017年までに監査役会から身を引くこととした。
フォルクスワーゲンは、「マーディン・ウィンターコルンが引き続きフォルクスワーゲンのCEOを務めることを確認した。彼が取締役会の会長を勤め、すべての経営陣がそれをサポートする。2016年2月に行われる監査役会でも、彼の契約の延長を申請する予定である。」と声明を発表している。