アウディTT
公開 : 2015.04.23 23:40 更新 : 2017.05.29 18:14
■特徴
”初代から2代目になるにあたり90kgの減量を果たした。そして現行モデルはそこから更に50kgのダイエットに成功した” ― マット・ソーンダース(ロードテスト編集補佐)
TTのデザインが、ポルシェ911やメルセデス・ベンツSL、フォルクスワーゲン・ゴルフのようにアイコニックな存在になるまで、実に16年の月日を要した。
そうして、TTにしか成し得ないデザイン・イディオムが確立した今だからこそ、現行TTは先代と全長/全高をほぼ等しくするほかなくなったのである。
TTを所有する以上、スポーティというだけでなく、ファッショナブルでなくてはならない。だからこそ本質を貫きながら、細部にフレッシュさを宿したのだ。
アウディは綱渡りがうまい。
サーフェスに緊張感をもたせ、ディテールをよりスポーティにしたにも関わらず、シルエットはどこからどう見ても ’いつもの’ TTなのだ。
細やかな変更点は数知れず。しかしそれでもTTらしさを維持した点は、’功績’ と呼ぶに値する。それもごく一般的な美しさとはひと味ちがうところで成し遂げたのだから。
すべてを独立式サスペンションとし、スチールとアルミニウムを組み合わせたアーキテクチャは現行モデルも同じ。
フロント・ボンネット下に横置きのエンジンをおさめた点、さらにはFFと4WDの両方を用意した点もこれまでどおりだ。
われわれがテストに供するのは、230psと37.7kg-mを発揮するTFSIユニットを組み合わせたFFのモデル。マニュアル・トランスミッションを組み合わせている。
なお、2.0ℓ 4気筒ユニットは、販売開始時はターボ加給が施されるガソリンとディーゼルから選択ができる。
テスト車両はヒエラルキーのなかでは必ずしもトップ・クラスではないが、シェアの多くをこの組み合わせが占めるのではないかと思われる。
また今回のテストには、基準車よりもアグレッシブなボディ・デザインが特徴のTT Sラインも同行する。
こちらはパッシブ・スポーツ・サスペンションを組み合わせるため車高は低くなっており、可変磁気粘性ダンパーをオプションで選ぶこともできる。