ルノー・エスパス・インテンス・エナジーdCi160
公開 : 2015.04.24 23:30 更新 : 2017.05.29 19:22
このクルマに乗って、ようやく ’グランドツアラー’ という言葉の意味がわかった。
■どんなクルマ?
今回テストするのは第5世代目にあたるルノー・エスパス。写真をご覧のとおり、1984年に販売された初代エスパスの箱のような出で立ちは、影も形もない。
かつてのエスパスの顧客は、明るいキャビン、快適性、モジュール性に代表されるエスパスらしさを求めたそうだが、これに加えて今は、ドライビング・プレジャーやエモーショナルも求められているという。
ルノーは新型エスパスのことをクロスオーバーと呼び、車体前半は、クロスオーバーのスタイルからヒントを得ているのだそうだ。
ホイール径も大きくなっており(17/20インチが用意)、また最低地上高は、先代のグランド・エスパスよりも40mm増しの160mmが確保されている。
ボディ上半分のデザインは、疑いようもなくルノーのそれ。フランスの高速鉄道車両であるTGVからヒントを得たノーズ・デザインはなくなってしまったが、角度のついたフロント・ガラスやアップライトなテール・ゲート、高い位置にマウントされたリア・ライトは健在だ。
車体の基板となるのは、ルノー日産アライアンスが開発したCMFプラットフォーム。FF車への使用をを前提としたCMFを使用するDセグメント車は日産からも販売されており、ルノーからは、のちのラグナ/ラティチュード、そして新型のカジャールが採用している。
組み立ては、新アーキテクチャーのために£300,000,000(539億円)の改修費が投じられたフランスのドゥエー工場で行われる。ペイントや製品の品質向上に関するアドバイスはダイムラーから受けたというのは興味深い話だ。
プラットフォームが新しくなったことに加え、ボディ・スキンにアルミニウムとプラスティックを用い、さらにシートを軽量化すると同時に固定式にしたことにより、先代よりも250kgものダイエットに成功している。
フロントはマクファーソン・ストラット、リアはルノーが呼ぶところの ’セミ・リジット’ となり、2007年のラグナ3で初めて見られた可変ダンパーと4輪操舵システムを組み合わせた4コントロールと呼ばれるシャシー・システムも用意している。