ルノー・エスパス・インテンス・エナジーdCi160

公開 : 2015.04.24 23:30  更新 : 2017.05.29 19:22

キャビンは、他の高級車メーカーからよく学び取ったことが伺え、高いダッシュボードの更に高い位置にマウントされたタッチスクリーンや、賢いTバー・シフターはインテリア・デザインの未来を見るような気持ちになる。

また高いポジションのおかげで遠くまで見渡すことができ、南フランスの慣れないワインディングを5時間走らせてみたがほとんど疲れ知らずだった。

しかしシャシーをスポーツ・モードにしてみると、途端に乗り心地が悪化する。特に荒れた路面の上ではバイブレーションが増し、キャビンに侵入してくるロード・ノイズが大きくなる。

また明るい色調で統一されたダッシュボードは、大きめのウインドスクリーンの影響もあって、かなりの日光を反射させる。これは視界の良さに対する明らかなトレードオフである。

全長が4.9mもあり、標準で7人分のシートを搭載することから、収容能力はかなりのもの。優れた機械構造ゆえ簡単に最前列以外の5座はすべて電動でフロアにホールド可能だ。

3列目のシートを起こした状態の荷室容量は300ℓと悪くなく、先代よりも16mmホイールベースが長くなっているため2列目のシートのレッグルームにも十分な余裕がある。

よってユーティリティと高級感の両立に優れており、それゆえ先代とも、また一般的なクロスオーバーとも大きく立ち位置の異なったクルマだと言える。筆者はこのクルマに乗って、ようやく ’グランドツアラー’ という言葉の意味がわかった。

■「買い」か?

英国にいるかぎり購入はできないが、英国内のハイエンド・クラスでは、やはりSUVとサルーンの勢力が強いため、ルノーは賢明な判断をしたといえる。

しかし、パリを走らせたり、あるいは大勢で南フランスに向けて長距離を走らせるといったシチュエーションでは、エスパスは重宝されることになるだろう。

(ヒルトン・ホロウェイ)

ルノー・エスパス・インテンス・エナジーdCi160

価格 NA
最高速度 201km/h
0-100km/h加速 9.9秒
燃費 21.6km/ℓ
CO2排出量 120g/km
乾燥重量 1659kg
エンジン 直列4気筒1598cc
最高出力 181ps/4000rpm
最大トルク 43.8kg-m/1750-2500rpm
ギアボックス 7速オートマティック


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