BMW X5M
公開 : 2015.04.28 23:50 更新 : 2017.05.23 10:25
さらに驚かされるのはそのグリップ力。前:285/35、後:325/30のミシュラン製21インチ・タイヤ(オプション)はこれでもかというくらい粘ってくれるのだ。
一方のステアリングは時として路面の隆起を拾いやすく、急に重みを増したりする側面があるが、サイズから考えると、全般的に驚くほどダイレクトかつ正確である。
さらに詳しく見るために、スポーツ/スポーツ・プラスにセットすると、たまにねっとりとした不快な感覚をもたらす。
ここから、よりスポーティな設定を試すと、重みが増し、人工的なセンタリング・アクションが目立つようになる。
コンフォート時はこれまでの重みが嘘だったかのように軽くなるが、もっともナチュラルになるため、結果的にはコンフォート・モードがベストかもしれない。
対するブレーキ・フィールは理想とは遠い。
岩石みたいなキャリパーとディナー・プレートみたいなディスクがもたらす制動力はもちろん見た目どおりなのだが、ハード・ブレーキングの際には、必要以上にブレーキを踏み込む必要があるし、その際の足元に伝わる感触も、曖昧でぶかぶかとしている。
一方の乗り心地は、先代のX5Mの最大の欠点であったが、この最新型ではうまく解決しているようだ。リムジンのそれを期待すると痛い目にあうが、コンフォート・モード時の乗り味は、ほとんどの大型SUVと同等の柔らかさを確保しているし、もっとも硬い設定にしたとしてもバンプを超えるたびに思わずお尻と持ちあげたくなるほどではない。
キャビンは広々としており、ドライビング・ポジションもほぼパーフェクト。Mスポーツ製シートのおかげで、見た目、すわり心地もとても良い。
インテリアの仕上げは美しく、シートだけでなく多くの部分をメリノ・レザーが覆っている点も心地良い。これに加えてカーボンファイバー・トリムやお洒落なアンビエント・ランプを効果的に配しているおかげで、価格にも正当性がでている。