フォードS-マックス2.0 TDCi 180
公開 : 2015.04.28 23:40 更新 : 2017.05.29 18:54
件のサスペンションは、なかなか上手にハーシュネスを丸めこんでくれる。やや味気ないリバウンドをするものの、その後はスッと収束するのだ。楽しいうえに快適なキャラクターのタネはここにある。
低回転域のエンジンはややのったりとしているが、ターボが仕事を始めると、突然トルクが湧きはじめる。中回転域では力強さに加えて柔軟性も加わり、速さと洗練性には満足できる結果となった。
この ’洗練性’ というキーワードは最新のS-マックスを語るうえで、とても重要である。クルージング時のウインド・ノイズも先代より抑えられており、エンジン・ノイズもかなり遠くで鳴っている程度なのだ。
フル電動シート(チタニウムXパック)は、ハッチバックのクルマさながらの非常に低い位置までポジションを下げることができる。
調整幅の広さや、適切な位置にあるアーム・レストのおかげで、S-マックスの車格に見合った、とてもカジュアルなポジションをとることも簡単だ。
8.0インチのタッチスクリーンを装着し、その他の内装材を見なおしたおかげでキャビンの質感は先代より確実にステップアップしている。
ゼテック(ベース・グレード)を含む全てのグレードには衛星ナビゲーションが標準で付き、トップ・グレードには前後パーキング・センサーもつく。
その他には、速度制限に合わせてスピードを調整してくれるシステムも含まれるが、走って楽しいクルマだけに、このオプションの選択はお任せしたいと思う。
2、3列目のシート・レイアウトの柔軟性は先代を大きく上回り、1度レバーを引くだけで2列目の外側のシートを簡単に動かせ、3列目に簡単にアクセスできるのも嬉しい。
3列目の荷室にマウントされる2つのシートは、小柄な人にとっては、さほど長い距離でなければ十分に耐えうるといったところだ。
ラゲッジ・スペースに関しては、3列目を起こした状態ではコンパクトなサイズに留まっているが、3列目をホールドさせると700ℓまで拡大できる。
スペア・タイヤはフロア下に入り込むかたちで格納されているため、荷室はほとんど影響を受けていない。
2列目のシートも倒せば、そこには広大なフラット空間が広がる。スペースとユーティリティにおいてS-マックスを超えられるとすれば、フォルクスワーゲン・シャランか、のちのデビューを予定しているフォード・ギャラクシーくらいしか見つけられないだろう。