スコダ・スパーブ2.0TDI 150 ラウリン・アンド・クレメント
公開 : 2015.04.29 23:50 更新 : 2017.05.29 18:40
かねてから室内の収容力に定評があるスコダ・スパーブであるが、2015年モデルからはさらに広くなった。装備品も充実し、そのうえ軽くクリーンにもなっている。
■どんなクルマ?
カタログを開いて、ディメンションと豊富な装備内容を見ると立派なエグゼクティブ・カーなのに、ファミリー・カーの価格で購入できる。
これこそがスコダ・スパーブを スコダ・スパーブのことを ’不可解なクルマ’ と見なしてしまう本当の理由なのかもしれない。
先代の自慢といえば、セグメントのくくりを飛び越えてしまう後席のレッグルームの広さだったが、驚くことにこの新モデルのそれは、ホイールベースを拡大したことによりさらに広くなっている。
にもかかわらず75kgもの軽量化に成功したのは、先代よりも先進的なMQBプラットフォームを採用したからである。
英国では2002年の販売以来、42000台が販売されている。決してベストセラーというわけではないが、スコダにとってスパーブは重要なモデルであることは間違いない。
ウルトラ・クリーンかつ経済的な ‘グリーンライン’ 版エステートももうすぐ販売が始まる予定。しかし今回は、もっとも売れるであろう、ハッチバック×ディーゼル×MTという組み合わせをテストする。
とても競争力のある価格とキャビンの広さを考えると、ライバルは多岐にわたるが、直接的な相手はフォード・モンデオ、フォルクスワーゲン・パサート、BMW 3シリーズとなる。
“ラウリン・アンド・クレメント” という2人の創始者からとった、スコダ創業当時の社名を冠したこのモデルが、どのようにわれわれを魅了してくれるのかを見ていくことにしよう。
■どんな感じ?
運転していて、いいクルマだとは思うけど、素晴らしクルマではない。というのが最初の印象。
2.0ℓディーゼルは、スパーブより軽量なオクタビアに搭載しているときは1400〜1800rpmでさえパンチーだったが、スパーブのうえではそれほどでもない。
回転をあげるとトルク・バンドが広いことはうかがえるが、どこかパワー・デリバリーが一本調子なのも少し気になるところだ。
一方、スコダ内製の6速デュアル・クラッチは、静止加速時に変速に迷うことがあり、マニュアル操作でシフト・ダウンしても実際の変速までにラグが見られるが、機械側に任せると、変速に要する時間は短く、全般的なマナーもなめらかになる。