スコダ・スパーブ2.0TDI 150 ラウリン・アンド・クレメント
公開 : 2015.04.29 23:50 更新 : 2017.05.29 18:40
アイドリング時のエンジンは落ち着いており、6速固定でモーターウェイを走らせる場合も低い回転数を保ったまま静かに回り続ける。
しかしひとたび強めにアクセルを踏んでみると、キャビンには明確にエンジン音が侵入し、ペダルを介してバイブレーションも伝わってくる。ただしこれは、パサートや3シリーズのディーゼルとほぼ同等レベルといっていい。
可変ダンパーにはコンフォート/ノーマル/スポーツ/の3種類のモードが用意され、テスト車両は18インチのホイールを履いていた。
モードに関係なくステア・フィールは漠然としているが、スポーツにすると、高いグリップ力と重みを増したステアリングのおかげで自信をもってコーナーに飛び込んでいける。
この際、もちろんダンパーも硬くなっているため、ボディの動きも予想しやすく、結果的にスピードをのせたままコーナーを切り抜けられる。
ただし、フロント・エンドの所作はお世辞にも機敏とは言えないので、この点に関してはフォード・モンデオや3シリーズに軍配があがる。
ミドル・コーナーでは、足元の頼りなさが安定感に支障をきたしていることがより明確にわかる。コンフォートとノーマル時の、バンプの初期の吸収はうまいのだが、その後かなりのボディの上下動を許してしまうのだ。
スポーツにセットし、うねりを伴う路面を走るぶんには落ち着きを取り戻すが、やはりシャープなエッジが立った路面では、キャビンをもろに突きあげることになる。ここもモンデオやパサート、3シリーズに及ばない。
しかし車内のスペースは、どのライバルよりも優っている。4人の大人が乗ったとしても、エグゼクティブ・カーさながらのレッグ/ヘッド・ルームを体感でき、仮に後席に3人乗ったとしても、窮屈には感じないはず。
シートは60:40で分割でき、荷室側からも、側面に設えられたレバーを引いてホールドすることが可能。開口部下側がやや上にせり出しているが、そこから先には625ℓもの広大な空間が広がる。
テスト車両はSE Lエグゼクティブなるトリム・レベルゆえ、内装の組み付け制度やスタイリッシュさにも満足できる。ステッチ入りのレザーや柔らかいプラスティックも多く見られ、どのグレードにも左右フロント・ドア部に傘を格納しているのも特徴だ。
高級感は3シリーズほどではないが、パサートと肩を並べるレベル。フォード・モンデオに関しては、スパーブの圧勝といったところだ。
パサートと基本システムを共有するインフォテイメント・システムもモンデオを凌ぐ。BMW iDriveシステムが依然として直感性に優れるが、スパーブの8.0インチ・タッチスクリーンも、明るく反応もよく、操作もしやすい。
またSEモデルには大径アロイやランバー・サポート、リア・パーキング・センサー、アダプティブ・クルーズ・コントロールも組み合わされる。
SEビジネスはSEと同価格であるが、アルカンターラ・シートやオート・エアコン、前後パーキング・センサー、エレクトリック・パーキング・ブレーキ、衛星ナビ付きの6.5インチ・タッチスクリーンを装備している。
さらに高価なSE Lエグゼクティブにラウリン・アンド・クレメント・トリムを組み合わせると、バイキセノン・ヘッドライトや電動テールゲート、ヒーター付きレザー・シート、キーレス・エントリー、8.0インチ・タッチスクリーンが付き、価格は上昇するが十分に説得力のあるトリム・レベルだということができる。