マツダ2
公開 : 2015.04.30 23:50 更新 : 2017.05.29 19:13
■経済性とランニング・コスト
”われわれの燃費テストでは18.0km/ℓを記録した。これはスコダ・ファビアの数値よりも2.1km/ℓ優れていることになる。” ― ヴィッキー・パロット(ロードテスト編集補佐)
経済的で、装備が豊富、そして手に入れやすい、というだけで、必ずしもヨーロッパで成功できるとは限らないのだが、これらを満たしておく必要はある。
そしてマツダ2は、それらの最低条件を見事にクリアしている。
もっともパワフルなグレードでさえ、CO2排出量は、フォード・フィエスタが搭載する3気筒エコブーストユニットの105g/kmをわずかに上回る117g/km。
したがって、CO2排出量によって変動する英国の自動車税は年間£20(3,600円)だけで済み、社用車として使用する際にもとても助かるのだ。
エントリー・グレードにも、電動ウインドウやエアコン、ステアリング・ホイール・コントローラー、USB接続キットが付くなど、装備にも不満はない。
ミドル・レンジのSE-Lスペックには7.0インチのタッチスクリーンやリアの電動ウインドウ、クルーズ・コントロール、DABチューナー、ブルートゥース、衛星ナビなどが付き、それでもなおフィエスタの装備が豊富なゼテック・グレードより安価に購入できるのは嬉しい。
もちろん同等の競争力をもつ小型ライバルも多いが、円安の影響もあって、価格と装備のバランスはかなり秀でているといっていいだろう。
さらに£600(11万円)を支払えば、スポーツ・グレードに変更可能。この場合、16インチのアロイ・ホイールやリア・パーキング・センサー、オート・エアコン、キーレス・エントリー、自動ヘッドライト/ワイパーが付く。
もし、そこまで必要ないとお思いならば、90psのSE-Lナビ・トリムがスイート・スポットとなるはずだ。
また、燃料消費率も、ほとんどのクルマが真似できない点のひとつ。
マツダが掲げる22.2km/ℓという公表燃費は、小型車クラスの中でトップ・レベルにあり、われわれのテストでも18.0km/ℓを記録した。これはスコダ・ファビアの数値よりも2.1km/ℓ優れていることになる。
ハードに走らせたあとでも14.2km/ℓを切ることは一度としてなく、ガソリン・エンジンを搭載したモダン・カーのなかでは、極めて優れた結果だといえる。
■「買い」か?
”優れたドライブ・フィール、経済性、スピード感ゆえ、先代よりもはるかに、購入する意味合いが強まった” ― マット・バート (ヘイマーケット・オートモーティブ・コンテンツチーフ)
Good:質感の高いキャビン、鮮やかでバランスのとれたハンドリング、力強く軽やかなエンジン
Bad:中回転域の抑揚に欠けるパワー・デリバリー、いくつかのライバルには劣る実用性
オールラウンダーたる小型車のランキングのなかで、われわれが3位の称号を与えたことを、マツダは大いに自信にしていいと思う。
3位? それじゃあ生ぬるいのではあるまいか……などと思うことなかれ。優秀なクルマがひしめくこのクラスで3位を得るのはなかなか簡単なことではないからだ。
3位ということは、スコダ・ファビアスやヒュンダイi20(どちらもできたてホヤホヤの新型車だ)の光彩を失わせたことになる。
さらには、長きにわたり鼻高々だったフォルクスワーゲン・ポロを更迭し、ルノー・クリオやシトロエンDS3、ミニ・ワンの類を根絶したことにもなる。
ここに来て、ユーザビリティ、燃料消費率、質感、速さ、ハンドリング、バリュー・フォー・マネーなどのすべてを満足させてくれる、先代をはるかに上まわるクルマが登場した。
それでいてエンスージァストの心を掻きたててくれるのだから、マツダはヨーロピアン・スーパーミニを目の前に大健闘をしたといえる。あっぱれである。
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