BMW 125d Mスポーツ
公開 : 2015.05.02 23:50 更新 : 2017.05.23 10:25
フェイスリフトしたディーゼルの1シリーズは実に力強いクルマだが、真のライバルは意外にも身近なところにあった。
■どんなクルマ?
車両価格は£29,800(543万円)。フラッグシップ・モデルたるM135iの英国内の価格と変わらない。高い。高すぎる。にもかかわらずなめらかな6気筒のメロディーが耳にできないなんて、こんなに悲しいことはない
125dに組み合わされる4気筒ディーゼルのブロックとヘッドは軽量化のためアルミニウム製となっており、スペック・シートで満足させるために専属の高性能エンジン・ビルダーによって手が入れられている。
鍛造コンロッドに鍛造スチール・クランク、軽量ピストンにマルチ・ステージ・ターボチャージャーもこのクルマの特徴。その結果もたらされる数値は224psと45.9kg-m。0-100km/hタイムは6.3秒を記録する。
ならば、気筒数なんて関係ないのかもしれない。最近のBMWには(嬉しいことに)よくある話だ。
スポーツと呼ばれるトップ・レンジのディーゼルには、とても優秀なZF製8速ATが組み合わされ、これも125d用にアップグレード済み。ルートを決めていなくともナビのデータから自動変速してくれるなんて夢のようだ。
目で見てわかる点としては、バンパーやテール・ランプの意匠変更が外観上のポイントであり、一方のインテリアは、雰囲気を少しだけ変えてくれる新しいクローム×グロス・ブラックのトリムやシングル・ゾーン・オート・エアコン、DABラジオ、6.5インチのスクリーンを含むiDriveシステムが目立つ変更点である。
気になるのはクルーズ・コントロールがいまだにオプションであること。いまや£20,000(364万円)のフォルクスワーゲン・ゴルフ・ディーゼルでさえ標準だというのに、こと125dは£550(10万円)を支払って、クルーズ・コントロールを含むアップグレード・パックを手に入れるなんて不条理だ。その時はすでに£30,000(546万円)を超えてしまうのだから。
■どんな感じ?
とても有能で疑いようもなく速いのだが、M135iのようにドライバーを惹きつけるような側面は特に見当たらない。キャビンとステア・フィールこそ似ているものの、熱情がそこにはないのだ。