ポルボXC90、詳細

公開 : 2015.05.02 22:50  更新 : 2017.12.14 12:31

  • 上海モーターショーで公開された中国市場専用モデル、豪華なXC90エクセレンス。

ボルボが世界に先駆けて採用したオートマティック・ブレーキも当然ながら採用されている。これは、日中、夜間にかぎらず、歩行者、サイクリスト、そして前方の車両との衝突を未然に防ぐものだ。

マーテンスは、「2020年までには、誰もボルボのクルマでは死亡せず、重傷を追うこともないようにしたい。それはこの第1ステップだ。」とコメントしている。そのためには、安全、コネクティビティ、そして自動運転がキーになるとしている。

ボルボの商品戦略&生産ライン・マネジメント担当上級副社長のレックス・カーセンマーカーは、「ボルボXC90で、われわれはセルフ・ドライビングへの第一歩を踏み出した。ストップ・アンド・ゴーの多い道では、半自動と言えるドライビングが味わえることになっている。」と語った。

ボルボはこのXC90から新しいトリムのラインナップを打ち出している。最もスポーティなのがR-デザイン、豪華なモデルがインスクリプション、そしてメインとなるコア・モデルがモメンタム(従来のSEに代わるもの)という構成になる。

XC90 R-デザインは当然ながら内外にスポーティな演出がされたモデルだ。エクステリアは、フロント・グリル、フロント・スポイラー、シルク・メタルのウィンドウ回り、ツイン・エグゾースト、統合されたシルバーのルーフ・レールと、マット・シルバーのミラー・カバーなどが装着される。また、ホイールはR-デザイン専用の20インチが標準となる。

インテリアは、ヌバック革のR-デザイン・スポーツ・シートが用意され、ステアリング・ホイールもレザー・トリムとなる。また、専用のペダルや、フロア・マット、イルミネーション・トレッドプレート、本革製のリモート・キー・コントロール、R-デザインのテーマに統一されたドライバー・ディスプレイなども装備される。

ボルボがビークル・ライン90と呼んでいるこの新しいXC90を含め、S80、V70、XC70に変わる新しいモデルを担当する副社長であるデニス・ノベリウスは、「フォードがボルボを売却することを決定した2008年に、われわれは新しいプラットフォームの研究を始めた。対抗するモデルについて、何故彼らがそうのようにしたのかを深く細かく考えた。それと同時に、ボルボ自身のDNAを再び見つけることも重要だった。われわれは、素晴らしい作品である60シリーズをベースに、より大きなスケールにフィットするようなプラットフォームを考えることにした。その時、ハイブリッドに対応すること、エンジン・レイアウト、そしてダイナミックはハンドリング、この3つに重点を置いた。」とコメントしてる。

エンジンについては、4気筒エンジンのみという決定をしたのが大きな決断だ。ターボチャージャーやスーパーチャージャーが組み合わせられるが、基本は2.0ℓのみとなる。新しいSPAプラットフォームを使用する9つのモデルのレイアウトそのものは互換性の高いものだという。ノベリウスは、かつてのボルボは、フォード、PSA、および自社開発といった複数のエンジンを使用していた。そのため、異なる取り付け方法、異なるエグゾーストといったことはもちろん、生産ラインのレイアウトまでそれぞれに用意するようがあったと語る。そのため、生産効率が非常に低かったが、今回、プラットフォームとエンジンを一新したことによって、その問題は解決されたという。

ボルボXC90は、エンジンとトランスミッションのフィロソフィーについても再考する機会となった。それは、4気筒エンジンになったことだ。また、ダイナミックなハンドリングのために、ボルボとしては初めてフロントにダブル・ウィッシュボーン・サスペンションを採用した。リアは、マルチ・リンク・アクスルで、シンプルで軽量なコンポジットのリーフ・スプリングを使用する。ボルボは、あえてBMWのiDriveのようなコントローラーを避け、すべてを巨大なタッチ・スクリーンに集約したのも特徴的だ。これは、将来的にクルマとクルマとのコミュニケーションなどがアップグレードされた時に、素早くそれに対応するための処置だという。

ボルボにダイナミックさを望んでいたドライバーに最も歓迎されるのは、アルミニウム製のダブル・ウィッシュボーン・フロント・サスペンションだろう。また、エントリー・レベルのモデルのリアにはマルチリンク・アクスルと、コンベンショナルなコイル・スプリングに代えてリーフ・スプリングを採用したのも面白いところ。以前ボルボは960エステートにコンポジット・リーフ・スプリングを使用した経験がある。このリーフ・スプリングの採用は、重量の軽減と、リア・アクスルまわりのスペースを大きくするという効果がある。また、ハイ・スペックのモデルには、エア・サスペンションが採用される。これは、もちろん乗り心地の向上というのが大きな狙いだ。

ボルボ・カーズのリサーチ&デベロップ部門の責任者であるDr.ピーター・マーテンスによれば、「SPAは技術的に新たなスタートとなった。」という。また、このXC90に関しては、その構成要素の90%が一新されているという。そのため、「品質、テクノロジー・レベルにおいて、トップ・クラスのものを提供できるようになった。」とも語っている。また、SPAは従来のパワー・ユニットだけでなく、EVにも対応できるという。

唯一、SPAになっても変わっていないディメンジョンは、フロント・ホイールとアクセルとの位置関係だけだそうで、それ以外、ホイールベース、オーバーハングなどは自由度が高い。また、垂直方向の位置も、最低地上高、フロント・シャシー・レール、ウィンドウ・スクリーンの高さ、そして全体的な車高など自由に決定できるとい。ちなみに、新しいXC90のセカンド・シートはスライド可能で、サード・シートは高さ170cmの身長を持つパッセンジャーまで収納できる広さを持つという。

先述した通り、トリム・レベルは3つ。エンジンはガソリンのT6を含めて4つだが、現時点で注文可能なのはツイン・エンジンのT8と、2つのディーゼルの3タイプだ。ディーゼルは、248psでAWDのD5と、192psでFWDのD4の2つだ。

また、ボルボは、このXC90に1927台のファースト・エディションを用意する予定だ。この1927という数は、ボルボが設立された年である。T6およびD5に設定がされるもので、オニキス・ブラックのエクステリア、21インチの8スポーク・ホイール、アンバーのナッパ・レザー・シート、チャコールのレザー・ダッシュボードとウォルナットの装飾を特徴とする。

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