スコダ・オクタビア vs MG 6
公開 : 2015.05.03 23:50 更新 : 2017.05.29 19:32
極めて優れているわけでも、だからと言って安価でもない。これこそが、多くの人がMG 6(中国市場に向けたロエべ550の英国版)に対して抱いてきた、リアルなまでの印象ではないだろうか。
MG 6がデビューしたのは2011年のこと。MGのインサイダーさえも認めるように、このミドル・サイズ・ハッチバックは、ヨーロッパ市場におけるニーズにあまりにもフィットしていなかったのだった。
しかし中期のフェイスリフトが行われてからは、MG6を取り巻く状況は、わずかではあるが着実に変わった。あいかわらず控えめであったものの、その実直なキャラクターを支持する層が穏やかに増え始めたのだ。
そこでわれわれは、中国市場で求められる条件をクリアしたMGが、いかにして英国内でもわれわれを満足させようとしてくれるのかを、試してみたいと考えた。
上海で組み上げられ、セリー・オークまで運ばれたこのクルマは、もっと早く英国に来るべきだったのだろうか? ヨーロッパで組み立てられた快適で実用的な5ドア車、スコダ・オクタビアと比べてどうなのか? ということを、純粋に見てみたいと思ったのだ。
スコダ・オクタビアの全長は4.6m、ターボ・ディーゼル・ユニットは150psを発揮する。ディメンションはフォード・フォーカスよりも10%大きく、よって車内も広くなっている。
英国で販売するにあたりMG 6は£3,000(55万円)ほど価格が引き上げられているが、同時にシート・ヒーターやLEDデイライトをエントリー・グレードに追加するなど、バリュー・フォー・マネーも高まっている。
このページに登場するミドル・グレードのTSの価格は£16,195(295万円)。レザー・シートやリア・パーキング・センサー、オート・ヘッドライト/ワイパー、クルーズ・コントロール、7.0インチ・タッチスクリーン・マルチメディア・システムなど、エントリー・グレードに比べて装備も充実している。
このTSに対して、オクタビアにエレガンス・トリムを充てがうのは、装備の多さゆえ、いささか大げさなことになってしまうのだが、かと言ってこれよりひとつ下のトリム・レベルにすると、今度は装備が少なくなる。
にもかかわらず、エントリー・グレードでも£21,000(382万円)を上回る価格になってしまうため、価格とその装備の充実ぶりで考えるとMG6に軍配があがる。
MG 6を見渡すと、フロントとリアのデザインが(あくまで控えめであるが)リフレッシュされていることがわかる。スマートで繊細な印象だ。