ヴォグゾール・アストラ1.4ターボ・プロトタイプ
公開 : 2015.05.06 23:50 更新 : 2017.05.29 18:29
■どんな感じ?
エクステリアのサイズを縮小したにもかかわらず、インテリア・サイズは先代のまま。したがってリア・シート周辺のスペースもそのままであり、足元や頭上にもまったくの窮屈さを感じない。
外装と同じく、インテリアも偽装されているが、ヴォグゾールのエンジニアの目を盗んでカバーを捲ってみると、組み付け精度と質感が高いダッシュボードを目にすることができた。
ドライビング・ポジションにも問題はなく、ギアシフトの動きもなめらか。エンジンが小さくなったおかげで、鼻先の動きも軽やかになっており、思わずニンマリとしてしまう。
かといって、ひょこひょこと跳ねまわったり、足元をすくわれるような不安要素は一切なく、安定感とアジリティーの均整にも驚かされる。
テスト車両に組み合わされる1.4ℓターボ・ユニットは直噴化することにより、出力は5ps向上しており、回転フィールにも引っかかりは感じなかった。
横方向の変異を最小限に抑えられるワッツ・リンクとトーションビームの組み合わせは先代と同様であるが、乗り心地も悪くない。4リンク式より安く済むうえ、最適化にも抜かりがないため優れた成功例と言えよう。
先述のようにフロント・サスペンションがブッシュレスになっているのが影響して、やや前輪がバタつくこともあるが、これも改善すれば気にならなくなるはずだ。
ステアリングは10代目に比べて軽い仕立てであるが、情報伝達量は多く、重み、正確性にも不満がない。フォード・フォーカスのような熱狂はないが、極めてナチュラルなセッティングである。
操舵に対して、素早くボディの向きが変わる点はフォーカスと同じ。峠を攻めたくなるほどではないが、たとえるならばフォルクスワーゲン・ゴルフに似た落ち着きに身を委ねることができる。