ベントレー・ミュルザンヌ・スピード
公開 : 2015.05.07 23:50 更新 : 2017.05.29 19:02
さらに速くなったミュルザンヌ。しかしながら、長い歴史を経ることでしか手にできないベントレーならではの資質は全くスポイルされていない。
■どんなクルマ?
ミュルザンヌ・スピードは、最新のフラッグシップ・モデルであるにもかかわらず、半世紀のなかで最もオリジナルのベントレーに近いモデルである。
雷鳴のようなエグゾースト・ノートや、一定の基準を通り越した豪奢さ、さらにはフライング・ハットにゴーグルを組み合わせた貴族の笑顔を思いだすからだ。
しかしだからといって、快適性や機械要素の洗練性はまったくスポイルされていないのが、このミュルザンヌ・スピードの特徴だ。
このクルマに乗ると、ベントレーの長い歴史の中で培った伝統と、モダン・カーとしての資質を、一挙にして、しかもほしいままに手にしているような気持ちになる。
V8エンジンにZF製のトランスミッションを組み合わせる点は、従来のミュルザンヌの同じであるが、出力は25ps、トルクは8%増強されている。
車重は2.7トンに及ばんとするにもかかわらず、0-100km/hタイムも0.4秒短縮され、最高速度は10km/h引き上げられている。
標準で装着する可変ダンパーと可変ステアリングのマッピングも、これまで以上に幅広いセッティングができるよう、選べる範囲が広がっている。
外から見ると、前後のライトとグリルがスモーク加工されていることがわかる。内装のダイアモンド・キルティングを採用する点はスポーツ・モデル共通の文法だ。