フォード・マスタング・ファストバック5.0 V8

公開 : 2015.05.07 23:30  更新 : 2017.05.29 18:54

クラッチの重みやギア・シフトのカチリとしたフィールにも驚かされる。決して軽くはないのだが、ショート・ストロークゆえにサクサクと変速でき、引っ掛かりの類も皆無だ。

低い回転域のスロットル・レスポンスが穏やかである点は想像通り。ブレーキの制動力やフィールにもこれといった問題は見当たらない。

英国に入ってくるモデルのすべてに、ブレンボ製6ピストン・ブレーキ・キャリパーや19インチ・ホイール(標準は18)、冷却装置、欧州モデル用に調整したサスを組み合わせるGTパフォーマンス・パックが適合される。

確かに乗り味は、われわれが初めてテストした時と変わっており、低速域ではポンポンと跳ねていたのに、(粗い路面では硬いものの)一般的な路面ではとても落ち着いている。

ステアリング・レスポンスを高めるために、フロント・サスペンションも改めなおしていることから、前回よりも機敏になっているようにも感じる。にもかかわらず安定感も増しており、横幅/全長が拡大したかのような錯覚に陥ってしまうほどである。

しかし、多くのシチュエーションでは心から楽しむことができるが、アウトバーンの速度域ではやや神経質な挙動をともなうのも事実。改良のキーワードとして、安定感やバランスといった言葉が重要になるだろう。

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