DS 3 ピュアテック110オート

公開 : 2015.05.08 23:40  更新 : 2021.01.30 22:10

■どんな感じ?

これまでの1.6ℓターボ・ガソリン・ユニットにも高い評価をしてきたわれわれだが、今回の1.2ℓはそれを上回る柔軟性と軽やかさを兼ね備えている。身軽さとナチュラルなハンドリングにぴったりだ。

ライバルが搭載する3気筒ターボよりもエンジン音はやや騒々しく、アイドリング時にはボディがわずかにぶるぶると震えるが、快活なキャラクターと洗練性のバランスはまずまず。

過給器付きのエンジンであることを想像できる程度にアクセル・レスポンスは穏やかだが、低〜中回転域のトルクは十二分に力強く、おかげで素早く加速することができる。6000rpmまで気持ちよく回るのも良い。

仕立てのいいギアボックスと相まって、パフォーマンス・レベルは自動車好きのわれわれを振り向かせるに十分であるが、燃費だけがあまり誇れるレベルに達してないのが惜しいと感じる。

ステアリングは、これこれ!と思えるほど、たっぷりと情報を伝えてくれるおかげで ’ダイナミック・ハイパー-コンフォート’ とDSが表現する点にも不満はない。俊敏かつ安定していながら、わざとらしさも皆無だ。

シートの座り心地はとてもよく、キャビンはとても洗練されている。またマルチメディア・システム(Dスタイル以上のトリム・レベルに標準)は先代よりも飛躍的な改善が見受けられる。

ただし、アウディやミニが使用するシステムに比べると、やや見た目が野暮ったく、なおかつ使い勝手も劣る。

一方、レザーのもたらす高級感や、カラフルなデコレーションには共感できるが、ダッシュボードやスイッチに使用する素材はややチープであるうえ、高級ラインを謳うほどのレベルには残念ながら達していない。

また、荷室は広く、リア・シートの柔軟性もまずまずであるものの、5ドアが用意されないなど、ミニやアウディA1に及ばない点も見受けられた。

総括すると、先代と同様、愛らしく、そして運転していて楽しいクルマであるが、5年前と同じように手放しにおすすめすることは難しい、といったところだ。

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