メルセデス-AMG GT S
公開 : 2015.05.10 23:50 更新 : 2017.05.23 16:43
今回許された富士スピードウェイの周回数はたったの2周であり、公道での試乗は適わなかった。そんな限られた状況下で桧井はAMG GT Sに何を感じたのだろうか? 「柔らかいですね~」というのが、走行後の彼の第一声だった。ちなみにGT SはAMGダイナミックセレクトによって、C(コンフォート)、S(スポーツ)、S+(スポーツ・プラス)、RACEの4つの走行モードが選べるのだが、最もハードなダンパーセッティングを選んでも、その乗り心地は桧井が想像していたより軟らかかったのだという。「走行中にモードを色々と切り替えて試してみたんですが、可変のダンパーに関しては最も硬いモードから柔らかい状態まであまりはっきりとした差が感じられませんでした。全体的にコンフォートな感じです。高速コーナーでは重さを感じながらダラーっとラインが外側に膨らんで言ってしまう。個人的にAMG GTに抱いていたイメージは、もっとスポーティなものだったんですけどね」。
AMG GTがポルシェ911のマーケットを狙ったものであることは明白であり、乗る側も当然のごとく期待を膨らませていたわけだが、現実のAMG GTはその名の通りGT的な性格のようだ。だがしかし、それゆえのメルセデスらしい長所も多々あると桧井は言う。
「限界走行を試すにはタイヤのグリップの方が勝っていて、柔らかい印象のアシですが、ロールのしかたが自然なのでクルマの挙動は把握しやすいです。ターボ・エンジンはものすごくトルクが太くて、ターボが立ち上がって以降はフラットなイメージなのでこちらも扱いやすい。富士のホームストレートでは素早くシフトできる7速DCTのお陰もあってずっと加速が途切れない感じで続きます。リミッターに当たるときもすごくソフトです。だからメルセデスらしく、誰が乗っても容易にハイスピードドライビングを楽しめるクルマと言えますね」。