ジャガーXE-Rは495psへ、加えて550ps版の可能性もあり
公開 : 2015.05.11 22:40 更新 : 2017.06.01 02:10
ジャガーは、メルセデス AMG C63やBMW M3のライバルにあたる、XEのハイ・パフォーマンス・モデルを計画中である一方、さらに強化されたM3のライバルにあたるモデルも並行して計画しているようだ。
つい先日デビューしたばかりのXEに加え、同じく新モデルのF-ペース・クロスオーバーや、今年末の2代目XFの発表を控えているジャガーは、既存モデルの更なる高出力化も予定している。
最速のXEがデビューする場合、スーパーチャージドV6 Sのモデル名になる予定で、こちらはエントリー・レベルのF-タイプと同じ340psを発揮する。
ディーゼル・ユニットを搭載するディーゼルSも追加される可能性があり、こちらは240psと51.0kg-mを発揮するV6ユニットを搭載するようだ。
ただしこれら2機のディーゼル・ユニットでは、M3やC63が標榜する最高出力には及ばないため、F-タイプ・ロードスターが搭載するV8エンジンを、XEのボンネットに押し込む予定もあるという。
この際の最高出力は495ps、0-100km/hタイムは5.0秒となる予定で、その際のモデル名はXE-Rとなる見込みだ。
試乗記事でも記したとおり、実はアップライトなフォード製の4気筒ガソリン・エンジンやジャガー・ランドローバー製のインゲニウム4気筒ディーゼルを搭載するよりも、V8を搭載する方が簡単だという背景もある。
V8を搭載するに際し、可変ダンパー、シャシー、ZF製8速ATの再セットアップが施され、よりアグレッシブかつ俊敏な車体が目指されるはず。価格はM3と並ぶ£55,000(1,017万円)からとなるようだ。
またXE-Rに加えて、JLRのSVO(スペシャル・ビークル・オペレーション)が手を加えた、さらなるハイ・パワー・モデルも追加される予定だ。
こちらのモデルにはF-タイプRクーペが搭載する550ps版のV8ユニットを搭載する可能性があり、アウディRS4の次世代モデルを含む、ドイツのライバルに向けた直接的なライバルになる予定だ。
こちらのモデルは、エアロダイナミクスを見直し、さらにカーボンファイバーの使用領域を増やすなど、先述のXE-Rよりもさらにエキゾチックな立ち位置になるようだ。
有力な内部情報によると、”向こう18ヶ月以降、新しいモデルを追加することにより、セールス・ボリュームはこれまでの2倍近くまで跳ね上がることが見込まれ、まったく新しい企業へと進化するだろう” とのことだ。
また、XKをオリジンとする、XEとボディ・スタイルが異なったモデルのスケッチをデザイン・ディレクターのイアン・カラムは用意しており、こちらは2017年ごろの公開となる予定だ。
ジャガーのグローバル・ブランド・ディレクターであるスティーブン・ド・プローイはAUTOCARに対し「XKの復活は、現段階の優先順位ではあまり高くはありません。なぜなら、F-タイプという優れた存在があるからです。ただしXKがスポーティなモデルと豪華なモデルのあいだに生じていたギャップを埋める、とても有効なモデルであったことは認めますし、これから先もそんなモデルの再登場の可能性を否定はしません」と語っている。
また第2の高速モデルとして、ポルシェ・マカン・ターボのライバルにあたるF-ペースの登場の可能性もある。F-ペースは今秋のフランクフルト・モーターショーでのパブリック・デビューを予定しており、最終的な売上はXEを上回るというのが大方の予想だ。
また、われわれは既に ”間違いなくV8を搭載したF-ペースがデビューする” という正確な情報も手にしている。
495psのV8を搭載したF-ペースはF-ペースRとなることが予想され、その上のグレードとしてSVOが手がけるさらなる高速なSUVも加わる可能性はある。ただしその際はXEのような超高速モデルというよりも、むしろラグジュアリーな仕立てになるようだ。
ジャガーは単なる ’パワー・レース’ から即座に手を引き、それよりもハンドリングやそれにともなうアジリティを重要視しているようだ。
価格帯は、モデル展開が明らかになるまで予想しにくいが、全体的にはXEよりも高価になる見込みで、F-ペースRは£60,000(1,109万円)程度になるか、あるいはマカン・ターボと同価格になる見込みだ。
またXEやF-ペースのさらに上のグレードとしてF-タイプのSVRバージョンを用意する計画もあるようで、開発ディレクターのイアン・ホーバンいわく「これまでのF-タイプの成功を顧みると、1年おきくらいに優れたモデルを出すことによって、つねにカスタマーの記憶の先端にF-タイプを置いておいてほしいと望んでいるのです」
「F-タイプに関するアイデアは、まだまだたくさんあり、ビジネスの面においても、ここから5、6年でさらなる飛躍を遂げることになるはずです」
また彼は「SVO(スペシャル・ビークル・オペレーション)はとてもクリエイティブな組織です。男女含め、皆が常にクルマのことで頭がいっぱい。生粋のクルマ好きの組織ならではのモデルが生まれるのは自然なことなのです」と付け加えた。
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