プジョー208 1.2ピュアテック110
公開 : 2015.05.14 23:50 更新 : 2017.05.29 19:00
■どんな感じ?
いくばくかの力を与えると、ピュアテック1.2ユニットは、典型的な3気筒エンジンらしいハツラツとしたキャラクターを披露してくれる。
110psという数値は必ずしも力強いものではないし、決してリラックスできる仕立てとは言いがたいが、それでも0-100km/hまでは9.6秒で導いてくれる。
ミドル・レンジには十分なパンチ力があり、さほど神経質に運転せずとも22.2km/ℓの燃費に到達できるのも嬉しい。CO2排出量も最高レベルだ。
それだけに先代で見られた弱点をケアできていないのは惜しい。例えばロング・スローなシフト・ノブ(MT車)や、ゲートごとの曖昧なフィールは、やはり簡単には受けいれられない。
また、ステアリングも先代と同じく密なフィールに乏しく、ホイール径も相変わらず小さすぎる。それにややクイックすぎるきらいもある。
ブレーキも同様、アシスト過多であることが気になるし、低速域では食いつきすぎる。
その反面、17インチのホイールを履いているにも関わらず、乗り心地は208の得意とするところであり、荒れた路面でもサスが慌てふためくことはほとんどなく、実感としては一回り大きいクルマに乗っているような落ち着きだ。
ただ、ベンドの上ではそれまでの落ち着きが信じられないくらいにボディがロールしまくる。峠道をそれなりの速度で攻めようものなら、ぐらりぐらりと車体が揺さぶられるのだ。
加速時やブレーキング時のピッチ/ダイブも先代同様に気になるところ。最低ラインは超えているが、走る楽しみを求めるならば、フォード・フィエスタの存在の大きさをひしひしと感じることになる。
キャビンもこれまでと同じく、i-コックピット・デザインに固執しすぎるゆえ、あまりのシンプルさに操作に戸惑うことがあるかもしれない。座面高が高過ぎるのも気になるところだ。
ドライビング・ポジションに関していえば、シートとステアリング・ポジションの調整幅が広く取られている点はありがたい。シート単体の柔らかさには好感がもて、すっきりとしたダッシュボードも見ていて気持ちがいい。
4人の大人にとって、(パノラミック・ルーフが頭上スペースを制限してはいるものの)キャビンは十分な広さであり、285ℓの荷室容量もクラス平均を超えている。
7.0インチ・タッチスクリーンには、新しいアプリケーションを含むソフトウェア・アップグレードが含まれており、スマートフォンの画面をミラーリングできるミラー・スクリーン機能も今回の目玉だ。
シティ・ブレーキ・アシストやリア・ビュー・パーキング・カメラが新しいオプションとして用意されており、パーキング・アシストに関しては、208史上初の装備となる。