25e コッパ ディ 小海

2015.04.11-12

text:Yumihiko Yazawa (矢沢弓彦) photo: Naohiro Takahashi (高橋尚浩)、Shinji Uehara (上原晋史)、Yumihiko Yazawa (矢沢弓彦)

 
1991年に始まったコッパ ディ 小海は、日本で最も古くから続いているヒストリックカーのための公道ラリー&ヒルクライムで、今年で25周年を迎えた。イタリア北部のアルプスに連なるコルチナ・ダンペッツォで’50年代まで開催されていたコッパ ドーロ デレ ドロミテという険しい山岳コースを走るレースを模範としたマウンテン・ラリーだ。松原湖高原の標高1400mに位置する小海RE-EXホテルをスタート&ゴールとして、八ヶ岳の周囲を駆け巡るルートが組まれている。

コッパ ディ 小海の特徴のひとつは、参加者と参加車両の質が極めて高い事だろう。日本の愛好家を代表されるような小林彰太郎さんも、単なるひとりのエントラントとして毎年、参加されることを楽しみにされていたイベントだという。

今年も地上からは隔絶されたハイランドに、精鋭とでも呼びたいような粒揃いのクルマと愛好家が集まった。長い年月のうちに、本当にこのイベントを愛する人だけが集まり、そのような賛同者に支えられて運営されている。言わば、アマチュアのアマチュアによるイベントで、欧米で長く続いているクラシック・イベントと精神を同じくしている、と思われた。

また、景色の美しさも特徴のひとつだろうか。八ヶ岳の周辺は、ワインディング・ロードが続き、また信号も少ないのでドライビングがとても楽しめる。走りながら新鮮な空気を思い切り味わえて、また、次々と繰り広げられる景色も飽きない。

そして天候の変化も特徴のひとつだ。標高の高いところではまだ雪が残り、下に降りてくると桜が咲いている。それどころか、4月の半ばでも時には雪が降ることもある。現に今年も開催前日の金曜日には雪が舞っていた。そして土曜日朝のスタートの頃には霧が深くたちこめ夢幻の趣き。それが昼までには晴れ上がり、日曜日にかけて、素晴らしい天気となり、オープンカーに乗った参加者は、けっこう日焼けをしたほどだ。

さまざまな魅力が尽きないコッパ ディ 小海は、これからも全国の愛好家たちに支えられて、末永く続いて行くに違いない。

  • 土曜日朝のスタートの時点では霧が深くたちこめ、下界とは遮断された夢幻の趣きがあった。

  • 雨までは行かないが濃霧が路面を濡らす。この幽玄さがイベントの初日をさりげなく盛り上げてくれた。

  • スターター・フラッグを振り下ろす役は、地元小海町の小学生たちが担当してくれた。

  • 小海には新旧様々なモデルに加え、’50年代のイタリア製小型レーシング・スポーツが数多く集まる。

  • 近年は356を始めとするヒストリック・ポルシェのエントリーが増えてきたのが特徴。

  • 今回は25回目の開催となるため、特別なデザインが施されたクレデンシャルとミネラルウォーターを用意。

  • マニアックなクルマが集うイベントながら、アットホームな雰囲気を失わないのが小海の良いところ。

  • 他ではなかなか見られないパナールやルネ・ボネ、マートラ等のフランスの小型スポーツカーも集結した。

  • 土曜の夜は小海リゾートシティー・リエックスでナイトパーティが行われ、クルマとラリー談義に盛り上がった。

  • 大人の趣味人のためのナイトパーティでは、真路まなみさんと高橋実花さんによるシャンソンとカンツォーネを披露。会場は華やかな雰囲気に。

  • 2860ポイントを獲得して総合優勝を果たしたゼッケン38のチームには、趣味人から熱い支持を得ているクエルボ・イ・ソブリノスの腕時計が贈られた。

  • #01 1922年 ブガッティ T13ブレシア

  • #02 1925年 ブガッティT35A

  • #03 1926年 ブガッティT43

  • #04 1934年 ブガッティT57

  • #06 1949年 ヒーレー・シルバーストーン

  • #07 1958年 ロータス7 Sr.1 コヴェントリー・クライマックス

  • #08 1950年 シアタ750S MM

  • #09 1952年 スタンゲリーニ 750S

  • #10 1952年 エルミーニ 1500S

  • #11 1948年 チシタリア 204

  • #12 1948年 チシタリア 202SC

  • #13 1949年 シアタ・アミカ

  • #14 1953年 フィアット 750 ザガートMM

  • #15 1952年 パナール・ディナ・アレマーノ

  • #16 1953年 DB HBR

  • #17 1963年 ルネ・ボネ・ミサイル

  • #18 1965年 マートラ・ボネ・ジェット

  • #19 1967年 フィアット850スパイダー

  • #20 1967年 フィアット・ディーノ・スパイダー

  • #21 1969年 ディーノ206GT

  • #23 1975年 ランチア・ストラトス

  • #24 1957年 ランチア・アウレリア B20

  • #25 1954年 フィアット1100TV ピニンファリーナ

  • #26 1963年 フィアット・アバルト 850TC ニュルブルクリンク

  • #27 1960年 アルファ・ロメオ・コンレロ

  • #28 1961年 アルファ・ロメオ・ジュリエッタ SZ

  • #29 1962年 アルファ・ロメオ・ジュリエッタ SZ2

  • #30 1964年 アルファ・ロメオ・ジュリア TZ

  • #31 1964年 アルファ・ロメオ・ジュリア SS

  • #32 1960年 アルファ・ロメオ・ジュリエッタ・スパイダー

  • #33 1959年 アルファ・ロメオ・ジュリエッタ・スパイダー

  • #34 1966年 アルファ・ロメオ・デュエット

  • #35 1956年 ポルシェ356 スピードスター

  • #36 1953年 ポルシェ356

  • #37 1966年 ポルシェ911

  • #38 1969年 ポルシェ911E

  • #39 1972年 ポルシェ911T

  • #40 1954年 オースチン・ヒーレー 100

  • #41 1958年 オースチン・ヒーレー・スプライト

  • #42 1960年 オースチン・ヒーレー・スプライト

  • #43 1959年 オースチン A35

  • #45 1955年 アストン・マーティン DB2

  • #46 1959年 MG-A

  • #47 1968年 MG-B

  • #48 1973年 GTM

  • #49 1964年 ロータス・エランS2

  • #51 1971年 ルノー R8 ゴルディーニ

  • #52 1963年 ランチア・フルヴィア・ベルリーナ 2C

  • #53 1972年 シトロエン SM

  • #55 1970年 マツダ・コスモ・スポーツ

  • #56 1967年 パナール 24BT

  • #57 1929年 サルムソン GS8

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