アルファ・ロメオ4Cスパイダー
公開 : 2015.05.26 23:30 更新 : 2017.05.29 18:24
スパイダーになったことによって良き面もあるが、相変わらず動的なトラブルを抱えているうえ、冗談みたく高い。
■どんなクルマ?
デビュー直後の4Cに乗ると、重心の低さや粘り強さは良かったものの、ステアリングの重さやどぎまぎした挙動には常々驚かされた。
しかし今、改良が進んだ4Cに乗ると、ホイールが小径になり、リアのアンチ・ロール・バーがなくなっているため、乗り心地は滑らかだ。
アルファ・ロメオが、ミド・エンジンのカーボンファイバー製タブをもった4Cを、継続的に改良していることは間違いない。
右ハンドルの4Cに乗ってみると、(過去の他のアルファと違って)理想的なドライビング・ポジションが損なわれていないのもいい。
さらにスパイダー・バージョンとなれば、4Cの魅力に磨きがかかっていそうだ。
しかし昨年行ったドライバーズカー選手権では、不安定なステア特性やコーナリング時のスタビリティ、当てにならないブレーキ、キャビンに響く騒音など、明確な欠点が露呈したという事実もある。
スパイダーになることにより、ファブリック・ルーフや強化パーツ、スパイダー用に再設計されたロールオーバー・フープ、エンジン・ベイのストラット・ブレースが加わったが、車重はたったの15.5kgしか増えていない点も評価を左右することになるだろう。
テスト車両はエアコン、パーキング・センサー、レザー・スキンのダッシュボード、醜くない方のヘッドライトを組み合わせることにより£59,500(1,120万円)まで膨れあがっている。
ならば、本当にポルシェ・ボクスターGTSが買えるお金を支払う価値はあるのだろうか。