ホンダ・シャトル・ハイブリッドZ
公開 : 2015.05.27 23:50 更新 : 2022.12.12 21:30
ハイブリッドなので、電気モーターのみで動いているときは驚異的に静かである。モーターは重い分、フィットよりも広い範囲で働く。重い分、エネルギーの回生も進むので、差し引き「いってこい」だそうだ。電気とは便利なものである。1.5ℓアトキンソンサイクル・エンジンは、回すと活発なサウンドを発する。そこがトヨタのハイブリッドとは大いに異なる。記憶の中のグレイスよりいい音のような気がする。インシュレーターが違ったりするのだ。
■「買い」か?
日本のステーションワゴン市場は往時、年間40万台あった。それがミニバンの普及によって大幅に縮小した。スバル・レガシィがレヴォーグに変わったのも、このようなメガトレンドのなせるわざであっただろう。
ホンダによると、一時、年間15万台規模までシュリンクしたワゴン市場は、近年、年間20〜27万台にまで回復している。ハイブリッド、すなわちプリウスαやフィールダー・ハイブリッドの登場で、ステーションワゴン魂に再び火を灯す人々が現れたのだ。
ハイブリッドを生命線とするシャトルは、電気モーターのアシストのおかげでダッシュ力もある。全開時にはウィ〜ンッというEV独特のSF チックなサウンドを聴かせてくれたりもする。スポーティなハンドリングと乗り心地を持つ、スペシャルティ感覚の小型ステーションワゴンとして、あるいはある種のクロスオーバーとして、老若男女に受け入れられる可能性を秘めている。
ただその、競合車は強敵フィールダー、という現実を踏まえつつ申し上げるのだけれど、”心のリゾート” にしては、内装デザインはあまりに現実的に思われる。あ、そうか。価格を冷静に考えてみよう。これは富裕層向けではない。いわば、近所の天然温泉である。日常生活の中の非日常、シャトルの目指すところの “心のリゾート” はそっちなのだ。お金持ちだって行くかもしれない。そう考えるとみなさん、これはお値打ちな、いいリゾートです。
(文・今尾直樹 写真・前田恵介)
ホンダ・シャトル・ハイブリッドZ
価格 | 2,380,000円 |
燃費 | 29.6km/ℓ |
乾燥重量 | 1240kg |
エンジン | 直列4気筒1496cc + モーター |
エンジン最高出力 | 110ps/6000rpm |
エンジン最大トルク | 13.7kg-m/5000rpm |
モーター最高出力 | 29.5ps/1313-2000rpm |
モーター最大トルク | 16.3kg-m/0-1313rpm |
ギアボックス | 7速オートマティック |
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