text & photo:Hiroshi Yoshida (吉田 弘)
前橋クラシックカー・フェスティバル/スプレンドーレ前橋が、5月24日に群馬県前橋市内の中央アーケードを会場に開催された。スプレンドーレという名称は、伊香保おもちゃと人形自動車博物館が主催し、伊香保や榛名を中心とした「ヒストリックカー・ラリー」のイベントとして知られているが、今回が初回のこのイベントは、アーケード内にクラシックカーを展示するという静的なイベントという初の試みである。
この前橋クラシックカー・フェスティバルに参加できるクルマは、1980年までに生産された国産車・輸入車が対象となる。限られたスペースを使うため、募集は80台限定で行われた。実際に展示されたのは主催者が用意した特別展時車を含め、その総数は110台になった。
前橋市長の山本 龍氏が提唱した「商店街の活性化のために、クラシックカー・フェスティバルを前橋に」という声に賛同して開催されたこのイベント、アーケードという市民の身近な場所での開催にはそんな経緯があったのだ。
アーケード内は一般車通行禁止のため、通路の使用許可が下りる午前10時の時報を待ち、1953年型ジャガーXK120を先頭に、順序良く展示場所となる商店街に静々と進んでいった。
前橋は群馬県の県庁所在地とは言え、ご多分に漏れずこの商店街も普段だとそれほど混みあうことはないのだが、さすがにこのイベントで集客力がアップしたようである。アーケードの中心部にある広場では、地元のキッズによるダンスの披露、歌手の安倍里葎子さんの歌謡ショーなども開催されイベントを盛り上げた。
この広場ではコレクターによるスワップミートの出店もあり、雑誌のバックナンバーやカタログ、懐かしいブリキの自動車やミニチュアカーなどが並び、オープンと共にお宝を探すファンの姿を終日見ることができた。
町興しイベントだけに、商店街の皆さんからの反応が気になるが、まずは無事に行われたことを祝福したい。そしてこのクラシックカー・フェスタ前橋が、前橋市の定例イベントとなることに期待したい。
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午前10時の時報を待ち、続々と会場の商店街入りする参加車たち。
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会場中央のイベント広場には2台のアルファ・ロメオが特別展示された。
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榛名に近いだけに藤原とうふ店の文字入りのAE86が複数登場した。
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500mほどの長さの商店街を、展示位置まで順序よく進む参加車両。
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会場に一番乗りした1953年型ジャガーXK120が先頭で展示された。
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シングル・ナンバーの日産スカイラインC10セダン。1969年型だ。
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1969年型日産サニー1000クーペ。レストアの様子も展示された。
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子供よりも大人に人気だった、西部警察仕様の日産フェアレディZターボ。
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街並みに自然に馴染む落ち着いた姿が魅力的な日産サニー1000トラック。
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1971年型スバルR2SS。360㏄時代のスーパースポーツの1台だ。
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ラリー・フィールドで活躍したランチア・フルヴィア1600HFも姿を見せた。
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1973年型トヨタ・セリカGTV。ETのフィギアが子供たちに大うけだった。
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1960年型モーリス・マイナー・ピックアップ。トレーラーもお揃いだ。
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JAFの記念バッジが輝く1963年型ブルーバード1200ファンシーDX。
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Gノーズが特徴的な日産フェアレディ240ZG。1974年式である。
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ホンダS600とトヨタS800が並ぶ。昭和レトロ健在である。
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ベレットGTの極め付けのモデルであるGTRも前橋にやってきた。
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アウディ・スポーツ・クワトロ。30年も前のクルマと思えない存在感だ。
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会場となったアーケードは、途中の大胡街道を越えてさらに伸びている。
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メタリック・ブルーが鮮やかな1967年型メルセデス・ベンツ230SL。
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群馬県が生んだ傑作車であるスバル1000は、群馬テレビ賞を受賞した。
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大きなウニモグ、小さなホンダZが並ぶ。どちらも個性的な1台だ。
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豪華で巨大なアメ車時代の1959年型キャデラック・フリートウッド。
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こちらは、1957年型のキャデラック・エルドラード・ブロアムだ。
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今や世界的に評価される日本を代表するGTなったトヨタ2000GT。やはりボディカラーは白が似合う。
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一見アバルト風にモディファイされたフィアット500だが、ホンダZC型1.6ℓエンジンをミッド搭載する。
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山本前橋市長(右端)から市長賞が贈られた。左端は伊香保おもちゃと人形自動車博物館横田館長。