アクティブ4WDシステムは、常時前輪のみにトルクを供給するが、必要に応じて後輪にも動力を明け渡してくれる。駆動輪が変化する際のマナーはとても自然であり、ハード・コーナリング時はアンダーステアをうまく対処しようとしていることがわかる。

エンジンもとても柔軟で、パワーシフト・オートマティック・ギアボックスがドライバー側の直感を組んでくれるかのように変速してくれるのもいい。ここでもフォードのトレードマークは損なわれていない。

パッシブ・スプリングと18インチのホイールを標準で組み合わせることから、バンプを踏み越えると初期のハーシュネスは無視できないが、その後の処理はうまい。

ロード・ノイズもキャビンに侵入してくることはほとんどなく、このクラスのなかでもっとも洗練されているといっていいほどだ。

高速域でもウインド・ノイズやエンジン・ノイズが最小限だということを考えれば、BMW 5シリーズやアウディA6と肩を並べるレベルだと胸を張って言える。

座り心地のとてもいい牛革シートやとても深みのあるサウンド・システム、メタル・トリムのドア・シル、クロームのダイアルなど、ヴィニャーレならではの高級感も確保されている。

ただ、グラグラと動くエアコンの吹き出し口や鋭く尖ったドア・ビンなどに触れると「あぁやっぱりモンデオなんだ」と思ってしまうことになる。タキシード・ステッチ入りの内装であろうがなかろうが。