BMW 640d Mスポーツ
公開 : 2015.06.02 23:50 更新 : 2017.05.23 10:25
BMWのラグジュアリー・クーペは外観がリフレッシュされ装備の拡充が図られた。もっともポピュラーな640dを初めて英国でテストする。
■どんなクルマ?
今回のミドルライフ・リフレッシュで、6シリーズの外観がほとんど変更を受けなかったことを知っても、さして驚きはしない。
2003年、クリス・バングルのデザインによる6シリーズの再ローンチが行われた際のエレガントさが失われてさえいなければいいと思っているからだ。
ほんのわずかな外観の変更に加えて、装備が拡充され、インテリアのトリムはアップグレードされている。また、より経済的な直6ディーゼルもMY2015の特徴だ。
■どんな感じ?
外観の変更が大きく影響するのはSEモデルであり、具体的には横幅がグッと拡がったエア・スクープをもつフロント・バンパーとクローム・パーツの付加が特徴。
リアも同様にクローム・トリムの面積が増え、マフラーが大径になっている。Mスポーツ・モデルはさらにアグレッシブになっているが、全般的には以前と同じ。
車両価格は以前の据え置きではあるが、たとえばダッシュボードやドア表面のレザー部の拡大、LEDヘッドライト、TFTインストゥルメント・パックの標準化などカスタマーとして喜べる部分も大きい。
われわれがテストに連れだしたのは640dクーペのMスポーツ。静止状態からのパワー・デリバリーは思わずにんまりとするほどなめらかであり、市街地での従順さは今年初旬にテストしたよりパワフルな650iと比べても一枚うえのレベルにある。
前が空くのを見計らってアクセルを踏み込むと、313psの出力が一気に湧きあがる。0-100km/h=5.3秒という公表値も簡単にクリアできそう。
それだけではない。
わずか1500rpmから流れ込んでくる64.3kg-mものトルクはV8ユニットを搭載した他のモデルと同じくらいの加速力をもたらしてくれるのだ。
ディーゼルが発する低回転域のサウンドも聴き心地がよく、直列6気筒特有のギュッと中身が詰まったメロディーにも自然と気持ちが高揚してくる。