フォルクスワーゲン・ゴルフ・ブルーモーションTSI
公開 : 2015.06.03 23:30 更新 : 2017.05.29 18:57
初めて3気筒999ccガソリン・ユニットを搭載したゴルフは、その脚光とは裏腹に、密かに同門のディーゼル・ユニットの存在を危ういものにしている。
■どんなクルマ?
フォルクスワーゲンが推し進める ‘ブルーモーション’ ブランディングの一環として、小排気量ガソリン・エンジンを搭載するモデルが登場した。
心臓部となるのは999ccのあたらしい3気筒ターボ・ユニット。すでに高い評価を得ているUp!と共通のエンジンだ。
言うまでもなく99g/kmという極めて少ないCO2排出量と23.3km/ℓという秀でた燃料消費率がこのモデルのヘッドライン。
これほどの好成績を記録する同ユニットは、エンジニアリングの逸品とも言える。そんな小排気量エンジンから20.3kg-mものトルクが発生することもまたフォルクスワーゲンの誇りである。
この3気筒ユニットはEA211型ファミリーの一員であり、アルミ合金をベースにしたダイキャスト・クランクケースが基本となっている。
エグゾースト・マニフォールドはシリンダー・ヘッドに組み込まれており、これにエンジンのメイン冷却システムからフィードされる冷却ジャケットが繋がっている。
アドバンテージは2つ。ひとつは排気ガスがクーラントのオペレーティング温度を調整する手助けをする点。燃費を最大限引き上げられるのだ。
もうひとつは高速域ではクーラントが排気ガスの温度を下げることができるという点。ターボチャージャーに送られる前としては、とかく有益なことなのである。
ゴルフが用いたこれらのセットアップは、これまでからは考えられないほどのスペース効率の向上に寄与している。また経路が短くなったため吸入空気がターボチャージャーに渡るまでにかかる冷却タイムも短縮された。
インジェクターは5穴。ガソリン・エンジンとしては250barという高圧力でガソリンを噴射する。バルブ・トレインを動かすためにトゥースド・ベルトを用いるのも特徴だ。これにより、チェーン駆動よりも30%のフリクション低減に繋がっているという。