ミニ・ジョン・クーパー・ワークス

公開 : 2015.06.04 23:40  更新 : 2022.12.12 21:30

  • 2008年以降、ミニJCWの日本における販売数は3000台を記録。世界の販売台数の7%を占める人気ぶり。

■「買い」か?

エクステリアはご覧のようにエアロで武装する。リアの大型スポイラーはダウンフォースを増やすためであり、クーパーSにはあるフォグランプが取り払われてダクトになっているのはサブラジエターに空気を送って冷やすためだ。ブレンボと共同開発した4ポッドのブレーキ・キャリパーは、真っ赤に塗られて存在を主張する。

JCWは結局のところ、クーパーSでも物足りないひとのためのスペシャルなクルマである。外観はあいかわらずレーシィで、ドライビング感覚はミニのよさであるゴーカート・フィールを残したまま、電子制御ダンピングを採用して、快適性を大きく向上させたのが新型JCWである。ホイールベースを3cm延ばし、ボディを若干拡大して、ミニからミニであることの不満を取り去ろうとした現行F56型ミニのJCWなのだから、当然の流れというべきであろう。

ここからが難問である。これは買いか? オプション満載のテスト車は500万円を超える金額に達している。もちろん高い。高すぎる? けれど、そう考えるひとには素のミニがある。ONEなら226万円だ。ただし、ONEにはJCWのスピードがない。スピードってヤツはドラッグである。フツウのひとは手を出さない方がよい。

(文・今尾直樹 写真・花村英典)

ミニ・ジョン・クーパー・ワークス

価格 4,150,000円
最高速度 246km/h
0-100km/h加速 6.1秒
燃費 16.6km/ℓ
乾燥重量 1280kg
エンジン 直列4気筒1998ccターボ
最高出力 231ps/5200rpm
最大トルク 32.6kg-m/1250-4800rpm
ギアボックス 6速オートマティック


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記事に関わった人々

  • 今尾直樹

    Naoki Imao

    1960年岐阜県生まれ。幼少時、ウチにあったダイハツ・ミゼットのキャビンの真ん中、エンジンの上に跨って乗るのが好きだった。通った小学校の校長室には織田信長の肖像画が飾ってあった。信長はカッコいいと思った。小学5年生の秋の社会見学でトヨタの工場に行って、トヨタ車がいっぱい載っている下敷きをもらってうれしかった。工場のなかはガッチャンガッチャン、騒音と金属の匂いに満ちていて、自動車絶望工場だとは思わなかったけれど、たいへんだなぁ、とは思った。

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