ケータハム・セブン・スーパーライトR500
公開 : 2012.08.24 14:23 更新 : 2017.05.29 18:33
■どんなクルマ?
新しく改善されたケータハム・セブン・スーパーライトR500は何が変わったのだろうか。R500は263bhp、24.5kg-mのパワー、トルクを持つ1999ccのフォード・デュラテック・エンジンを搭載する。パワー、トルクが上昇した分、車重は46kg重くなっているがそれを補ってあまりあるものがある。また、オプションとなるが6速のシーケンシャル・トランスミッションが取り付けられるようになったのも特徴だ(テスト車両のもそれが付けられている)。
ウインドスクリーンもドアもないこのクルマのパワー・ウエイト・レシオは520bhp/トンで、スレンダーではないドライバーが乗ったとしても451bhp/トンになる。
■どんな感じ?
旧いR500はハイ・チューンの代償として、5000rpm以下ではまったく役にたたないパワー・トレインを搭載していた。しかしこの新しいR500では、そんなことがなくなった。96k/hを6速ギアで3000rpmで走っていたとしても、そこからスロットルを踏み込めば新しいR500は軽快に急激にそこから加速していくのだ。
ある意味、このローエンドの使い勝手の良さは私を悩ませた。6速でこんなにクイックな反応をしめしてくれるのなら、2速ギアは何のためにあるのか。しかし、その答えは0-96km/h加速2.88秒というタイムを稼ぎたすためにある、という単純なものだった。
5000rpmでクラッチをミートして、2速、3速とシフトアップする。このクルマはトラクション・コントロールなどというものとは無縁なので、2速、3速ではホイール・スピンを起こす。4速にシフトアップし、160km/hに達した時点でそのタイムは7秒未満。これはフェラーリ599よりも速い。
このエンジンのパワー・デリバリーの滑らかさはあらゆる面でプラスだ。6000rpmを超えて8500rpmのレブ・リミットまでの反応は素晴らしいものがあるが、どんな回転域でもスロットルは正確に望むままに反応してくれる。
R500には、更に素晴らしい点がある。それは、いままでドライブしたどのケータハムよりも乗りやすいということである。刺々しくない、気持ち良いバランスがとれたクルマだということだ。
そしてシーケンシャル・ギアボックス。2,950ポンド(37万円)という高価なオプションだが、それはとても正確で純粋で感動的なものだ。単純にレバーを2、3mm動かせば、見事なシフトをしてくれるものだ。確かに標準では6速マニュアルも用意されてはいるが、誰がそれを選ぶのだろうか。
■「買い」か?
もちろん買いだ。旧モデルよりも3,005ポンド(37万円)ほど価格は上がったが、新しいR500はより速く、よりフレキシブルで、より信頼性が高まっている。どこにも旧モデルよりも悪い点は見当たらない。すべての点で上回っているのだ。
(ジャミー・コーストフィーネ)
ケータハム・セブン・スーパーライトR500
価格 | 44,945ポンド(560万円) |
最高速度 | 238km/h |
0-96km/h加速 | 2.88秒 |
燃費 | NA |
CO2排出量 | NA |
乾燥重量 | 516kg |
エンジン | 4気筒1999cc |
最高出力 | 263bhp/8500rpm |
最大トルク | 24.5kg-m/7200rpm |
ギアボックス | 6速マニュアル |