フェラーリ488GTB
公開 : 2015.06.05 23:50 更新 : 2017.05.29 18:52
458のリプレイスメント・モデルがここに参上。458よりも速いことが約束される一方、搭載するエンジンにはターボ加給が施される。スリルは失われていないだろうか?
■どんなクルマ?
今回テストするのは458イタリアの後継、フェラーリ488GTB。
ドライブする前に、フェラーリはたくさんのグラフ、チャート、イラストを用いて488について細やかに説明してくれた。
フェラーリが伝えたかったのは “たしかに先代とおなじアーキテクチャーを使用しているが、単なるフェイスリフトと思っちゃいけません” ということ。
事実、全体の85%が488GTBのための新設計。その中心的な立ち位置を占めるのがターボチャージド・エンジンである。
そこで2番目のフェラーリからのメッセージ。“ターボといえども ‘超’ フェラーリ的” だということ。果たして期待通りなのだろうか?
フェラーリがターボ・ユニットを選んだのは、そのサイズが小さく、動作がリニアであり、燃費向上にも繋がるから。そして言うまでもなくパワフルだからだ。
これまで同様フラットプレーンのクランクシャフトを用いる新ユニットは先代-0.6ℓの3.9ℓを標榜。これにIHI製ターボが2機。そしてたくさんの摩擦低減パーツが組み合わされる(図表を見るかぎりたくさんという言葉では追いつかないほどたくさん)。
その結果叩きだされる最高出力は670ps/6200-8000rpm。ちなみに先代の最高出力は9000rpmで発生していた。
フェラーリは、このユニットにフェラーリらしさを与えるために、意図的に低いギアかつ低回転域の時のトルク供給を絞っているのだそうだ。したがって3000rpmでは全トルク(77.6kg-m)のうちの1/7のしか発生しないという。
もちろんそんなことをしなければ、もっと速いクルマが作れるわけだが、エンジニアいわく「そんなことをしても面白くないですからね」とのこと。
ステアリング・ラックは458スペチアーレからの流用。よって458イタリアよりもわずかにクイックになっており、可変ダンパーとタイヤ・サイズもスペチアーレと同じである。
ブレーキはラ・フェラーリと同じ。さらには新世代のSSC2(サイド・スリップ・コントロール)を採用した点も488GTBのヘッドラインと言えよう。