フォルクスワーゲン・ビートル・デザイン2.0TDI DSG
公開 : 2012.08.24 12:16 更新 : 2017.05.29 18:58
■どんなクルマ?
フォルクスワーゲン・ビートルは、そのスペシャリティなデザイン、多彩な歴史、そしてアートフルなディテールを持つにも関わらず、同じ装備のゴルフ3ドアよりもおおよそ1,000ポンド(12.4万円)安い。ビートル・デザイン2.0TDIも、同じグレードのゴルフ3ドアよりも985ポンド(12.2万円)安いのだ。その主な理由は北米で成功を収めるために、戦略的な価格が付けられているからだ。ちなみに、コストを安く抑えるために、ビートルはメキシコで生産が行われる。
■どんな感じ?
ダッシュボードがボディ・カラー剥き出しになのは、デザイン的にも面白いものだし、何よりもコストの低減に寄与する。また、ナビゲーション・システムのオプション価格も300ポンド(3.8万円)という低価だ。
スポーティなビートルをドライブすることは非常に楽しいことだ。しかし、リア・シートとなると話は別になる。直立した背もたれと、ヘッド・クリアランスの不足という一般大衆車並の窮屈さを強いられることになる。
とはいうものの、フロント・シートは実に快適だ。特に140bhpの2.0リッターTDIエンジンと組み合わせられる、1,595ポンド(20万円)のオプションとなるDSGミッションとのセットは秀逸だ。特に、1750rpmで32.6kg-mのピーク・トルクを発生するそのエンジンは、燃費にも優れる。
ギア・レバーをスポーツの方へシフトすると、ディーゼル・エンジンのスムーズな吹け上がりを味わうことができる。5000rpmまで回るそのエンジンは、驚くほど活発なパフォーマンスを見せてくれる。
また、シャシーはほとんどロールせず、ビートルがスポーツ・クーペと思わせるほどの乗り味を示してくれる。但し、ステアリングはデッドで、ビートルのドライビングから洗練さを欠如させることになる。
サスペンションも総じて静かなのだが、鋭い凹凸などではドスンという音を立てる。平坦でない裏道は不得意のようだ。真面目な話、多くのユーザーは、ビートルを都市部で乗るのだから問題はないといえばそうなのだが。
■「買い」か?
現行の第6世代のゴルフと比べてしまうと、その機能と輝きを減らしたようなクルマということができるだろう。とはいうものの、この新しいビートルは、先代よりも遥かに満足できるクルマに仕上がっているし、そのトルクフルなディーゼル・エンジンも魅力だ。しかし、本当にビートルを購入するのであれば、より排気量の小さいモデルで、若干の優れたオプションを付ける程度のほうが良いのではないだろうか。
(リチャード・ブレムナー)
フォルクスワーゲン・ビートル・デザイン2.0TDI DSG
価格 | 21,680ポンド(270万円) |
最高速度 | 195km/h |
0-100km/h加速 | 9.4秒 |
燃費 | 22.2km/l |
CO2排出量 | 140g/km |
乾燥重量 | 1417kg |
エンジン | 4気筒1968ccディーゼル |
最高出力 | 138bhp/4200rpm |
最大トルク | 32.6kg-m/1750rpm-2500rpm |
ギアボックス | 6速デュアルクラッチDSG |