ボルボXC60 T6 AWD R-デザイン チューンド・バイ・ポールスター

公開 : 2015.06.08 23:50  更新 : 2022.12.12 21:30

  • エヴァンゲリオンのスーツみたいなデザインのシートは、横Gをよくサポートしてくれる。

■「買い」か?

20万円がタダでついてくるのだから、たいへんお買い得である。でも、筆者のようなフツウの感覚の持ち主、守旧派はどうだろう?

ポールスターのソフトウェアにより、エンジンの最高出力は304psから329psに、最大トルクは44.9kg-mから48.9kg-mへと引き上げられている。性能曲線を見ると、最大トルクの発生回転が2100〜4200rpmのフラット型から3000〜3600rpmのドラマチック噴火型に変更された。オーストラリアのエアーズロックがモッコリお椀型になった。箱を開けるとビロ〜ンと飛び出すビックリ箱的トルク。瓶詰めケチャップみたいにドバッと出る。オモシロいといえばオモシロいけれど、アンダー・コントロールという意味では、ノーマルの方がよいという意見が多くを占めるのではあるまいか。

とはいえ、チューンアップというのは本来、フツウの意見に耳を貸さないアウトローな方がやることである。それをボルボがメーカー公認で、タダでやります、というのだ。ハードルが低くなったこのチャンスを逃す手はない。

歴史の証言となるであろうクルマを伴侶としてみることもアリではあるまいか。2016年モデルに直6横置き、チューンド・バイ・ポールスターのボルボは存在しない。ないものは手に入らないのである。

(文・今尾直樹 写真・花村英典)

ボルボXC60 T6 AWD R-デザイン チューンド・バイ・ポールスター

価格 6,890,000円
乾燥重量 1930kg
エンジン 直列6気筒2953ccターボ
最高出力 329ps/5400-6500rpm
最大トルク 48.9kg-m/3000-3600rpm
ギアボックス 6速オートマティック


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記事に関わった人々

  • 今尾直樹

    Naoki Imao

    1960年岐阜県生まれ。幼少時、ウチにあったダイハツ・ミゼットのキャビンの真ん中、エンジンの上に跨って乗るのが好きだった。通った小学校の校長室には織田信長の肖像画が飾ってあった。信長はカッコいいと思った。小学5年生の秋の社会見学でトヨタの工場に行って、トヨタ車がいっぱい載っている下敷きをもらってうれしかった。工場のなかはガッチャンガッチャン、騒音と金属の匂いに満ちていて、自動車絶望工場だとは思わなかったけれど、たいへんだなぁ、とは思った。

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