SVRがパフォーマンスSUVクラスのチャンピオンになった今、脇から与えられるX5Mの猛烈なパンチと、驚くほどプラグマティックなXD3から逃げ切ることができるのだろうか？

われわれAUTOCARは、対象車のスコアを決めるためにいつも長く率直な議論を交わす。いつもご覧になってくれている読者ならば、AUTOCARの下すバーディクトがいかに手厳しいものかをご存知のはずだ。

したがって、満場一致で5つ星になることはほとんどない。レンジローバー・スポーツSVRの評価が決まったときも同じ。ただ、SVRに乗ったほとんどすべてのテスターは最高得点を与えた。

£93,450(1,790万円)のプライス・タグを掲げる550psの、しかもSUVでこんなことはまずない。テスターのひとりは「SDV8を買うよりも断然いい」とさえ言った。きっとあなただってそう思うはずだ。

SVRは高さ調整が可能なエア・サスのおかげで突出したオフロード性能も兼ね備えている。しかしX5Mはそれに負けないくらいの牽引能力を有している。リアのエア・スプリングのおかげだ。

SVRの荷室は特大サイズだが、X5Mのそれはさらに大きい。したがって3列目のリア・ベンチを起こしたとしても、さして窮屈に感じない。

SVRは極めて速いクルマであるが、X5Mには確実なリターン・カスタマーがいるうえ、Mディビジョンとしてのブランド・エクイティを持ちあわせている。

2台の差が明確になるのはSVRとX5Mを真横に並べた時。お世辞抜きにSVRはゴージャスでセクシーだ。直感で欲しいと思える、説明を必要としない魅力が滲みでているように感じる。