レンジローバー・スポーツSVR vs BMW X5M vs アルピナXD3ビターボ
公開 : 2015.06.09 23:40 更新 : 2017.05.29 19:32
しかも、X5Mほどパフォーマンスの高さを外観で誇示していないところがいい。たしかに22インチのホイールはホイール・アーチいっぱいまで広がっているし、バンパーもインテークも基準車よりも大きい。
ただ、“どうだ!パワフルだろ!” と肩で風を切るような押し付けがましさがX5Mと比べてまるでないのだ。英国流のアンダーステイトメント(=謙虚さ)が具現化されているといってもいいだろう。
XD3はどうだろう? だだっ広い真っ黒なキドニー・グリルに、奇妙なデコレーション……。キリがないのでこれくらいにしておこう。
SVRは内装に関してもラグジュアリーなオーラを外観から引き継いでいるといえる。X5Mの内装材の質感やシートの座り心地も非常に素晴らしいが、SVRの彫刻的なシートそれは贔屓目なしに美しいと感じる。
パッセンジャーを快く迎え入れてくれる雰囲気やコマンド・ドライビング・ポジションには、古くからSUVを作り続けてきたレンジローバーならではの一日の長を認めざるを得ない。
X5Mの方が座面高は低く、視覚的に周囲に囲まれているように感じる。それだけに視界は狭く、内装のサーフェスは高級感というよりもビジネス的なスマートさを優先させているようだ。
対するXD3は、単なるファミリーSUVから飛躍的に進化したとは思えない内装。レザー・シートやアルカンターラの表面は素晴らしいが、あまりにもプラスティック素材が多いのだ。