ヴェローナ・レジェンド・カーズ
2015.05.08〜10
5月8日から10日の週末、ヴェローナ・フィエラ展示場を舞台に第1回ヴェローナ・レジェンド・カーズが開催された。このショーは、パドーヴァで毎年10月に行われる人気イベント、アウト・エ・モト・ディ・エポカを運営するインターミーティングという組織によって新たに開催されたイベントだ。彼らのクラシックカーについての知識と、ショーの運営に関するノウハウを持ち合わせていることは、会場となる2つのホールを埋め尽くした素晴らしいクルマを目にすれば明らかだろう。くわえて、車両販売業者向けの展示ホールが2箇所、パーツやアクセサリー販売用のホールが1箇所と、広範囲におよぶ出し物が観客を迎えた。
インフィニティ、テスラといったメーカーも出展したほか、ポルシェはポルシェ・クラブ・イタリアと協力して904カレラGTSなどのクラシック・モデルや新型車ケイマンGT4を展示した。ボルボは、PV544やテレビ番組 “ザ・セイント(邦題:天国野郎)” で人気を博したP1800を新型SUVモデルのXC90と共に展示。アストン・マーティンのブースには、1935年のアルスターからDB2/4、DB4、現行のヴァンキッシュ・ヴォランテやラピードSまで様々なモデルが並んだ。ジャガーは、ラ・スクーデリア・ジャガー・ストリケの設立80周年を祝うためにSS、XK120、140、150と、もちろん伝説的モデルであるE-タイプを披露した。
このショーのもうひとつの見せ場は、それぞれのメーカーのクラシックカー・クラブによる車両展示と、ミュージアムや歴史的なコレクションから厳選された数多くの特別展示だ。ロプレスト ・コレクションからは、ベルトーネおよびピニンファリーナによって1955年に作られたアルファロメオ・ジュリエッタ・スパイダーのプロトタイプ2台が披露された。
ブガッティのモデルでは、ミュルーズのフランス国立自動車博物館所蔵の珍しいT252のほか、タイプ13、タイプ45、それにエットーレが設計に関わった最後のモデルと言われるタイプ49(ヴィッラフランカ近郊のニコリス博物館所蔵)が展示された。ニコリス博物館からはそのほかにも、カスターニャによるボディワークをまとった1930年型ランチア・ディラムダ・クーペ・ドゥ・ビルや、1941年型フィアット1500ベルトーネ・クーペ、1960年型マセラティ3500GTヴィニャーレ・スパイダーが持ち込まれた。
また、30組を超えるクラブによる幅広い種類のクルマが展示され、珍しい個体を数多く目にすることができた。”つましき”フィアット600と呼ぶ人もなかにはいるが、それだけでもエラボラツィオーネ・ザガート仕様のもの、同じボディワークをまとうフィアット・アバルト850TCニュルブルクリンク、派手なメタリック・レッドと薄いブルーのヴィニャーレ・ボディに身を包む1955年型のチェリー・グラン・ルーチェが揃った。1955年といえばフィアット600の生産がはじまった年なので、その後何年もの間に生まれた数々のモデルを集め60周年を祝うには絶好の機会だったろう。
このほかにも1952年型フィアット1100Sモット・クーペ、ツーリングによるボディを架装した1938年型アルファ・ロメオ6C2300Bミッレ・ミリア、1929年型アルファ・ロメオ6C1500SS TT、1950年型ランチア・アウレリアB50カブリオレなど普段はお目にかかれないモデルが数多く揃い、そのなかの1936年型8C2900Aボティセラは同年のミッレ・ミリアのために製造された4台のなかの1台であった。
車両販売エリアでは、古くは戦前のフィアットを始め、ロールス・ロイスやベントレーといった高級ブランドから、’70年代のフェラーリを幅広く集めたコレクション、すっかり忘れ去られたと言ってもいいモレッティ・スポルト、フィアット・スポルト、ジャンニーニ、シアタ、それにランボルギーニやパガーニ・ゾンダF、チンクエ・ロードスターまで様々な車両がブースを飾った。