メルセデス-AMG A45レンテック459エディション
公開 : 2015.06.10 23:40 更新 : 2017.05.23 16:36
■どんな感じ?
乗り心地は想像通り硬い。市街地をゆっくりと走らせると、路面に合わせて小刻みにボディが動くうえ、カントリーサイドの峠路でも衝撃とともにボディは一定の上下動をともなうことも否定しない。
その反面、ダンパーはしっかりと煮詰められており、ミドル・コーナー上でバンプを踏み越えても、車体がバランスを残ったり、嫌な振動を伝えてくることもない。
エグゾースト・ノートのボリュームを小さくするためにコンフォート・モードにセットしたとしても、タイヤ/エンジン・ノイズは結構な音量で伝わってくるが、長距離クルージングには決して向いていないわけではない。
そしてエンジン。低回転域におけるパンチはもちろんのこと、スタンダードなA45 AMGが音を上げる5000rpm以上でも力強く回る。
最初の3段はショート・ギアになっており、望めばレッドラインまで引っ張ることも可能。全速力のローンチは、一度味わうとやみつきになる。
ポルシェのフラット6の方がリニアかつきめ細やかなフィールであるし、BMW M135iが搭載するエンジンのほうがドラマティックな吹け上がり方をするが、レンテックA45の爆発的な吹け上がりも実に気持ちがいい。
7速デュアル・クラッチ・オートマティックは、全シチュエーションのうち8割型は不満がないが、標準モデルのそれと同様、ごくたまに変速を迷う時がある。
ハンドリングはアクティブ4WDシステムの味付けがしっかりと効いた印象。クイックかつ直感と実際の挙動のギャップが少ない一方、細やかな調整のしやすさはやや不満。
ブレーキはアップグレードされたおかげでフィールが豊かになているうえフェードの気配もない。ギリギリまで我慢したのちにフル・ブレーキングを試みると、その後に車体はスイッと向きを変えて事もなげに高速コーナリングを披露してくれる。
インテリアは大きくは変わらないが、大きくなったシフト・パドルのおかげで、急なシフト・チェンジにも対応しやすくなっている。